S-7 勝者/────
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
矛の角度から見て丁度ジークフリートの背後の木からだと推測して、確認するが誰もいない。
「ハァァァァァァッ!!」
ならば駆けるしかない。確認出来ないのならば今目の前の敵を倒す事に尽くす。そう決め、ジークフリートは大地を駆ける。
魔力を剣に留め、ジークフリートは剣を何度も振るう。その連撃は的確に竜種の弱点を切り裂く。その中にディルムッドが付けた傷や先程の矛の周囲を切り裂くものも含まれている。
直後、ファヴニールは大きな叫び声を上げた。その巨体は光に包まれ、徐々に小さくなっていく。
「ジークゥ…………フリートォォォ!!!」
宿敵によく似た姿で、宿敵の名前を叫び、突撃していく。
「もう一度、眠れ。願わくば二度と……姿を現してくれるな」
既に血塗れになった剣を、掲げる。─その剣は先程の攻撃から真エーテルのエネルギーを溜めている─
そして、ジークフリートは最期ではない、最後の一撃を放つ。
生かさないように、完全に葬れるように、ただ一点に全ての力を収束させる。
────その宝具の分類は前例のない『対竜宝具』。ただの剣を一振りするだけだ。ビームが出るわけでも、剣気が放たれるわけでも、一瞬で三回の斬撃を放つわけでもない。
だが、この一振りには通常のバルムンクの十数倍のエネルギーを秘めている。そして、この剣は竜種を攻撃する際にある特殊効果が付与される。
「…………Aaaaaa!!?」
人型ファヴニールはその剣の持つ異様なエネルギーの危険性を察知して回避行動を取る……自分の場所を察知できないように血を飛ばして。
「『竜葬大剣・天魔失墜』」
だが、そんな小細工は通用しない。それがこの一撃の特殊効果。『竜の因子を持つ者を確実に捉える』単純で、最大の効果。
ファヴニールは追随する剣を再度避けようとするが、避けられるはずもなく、両断された。
「俺の……勝ちだ」
竜殺しの勇者は膝をつき、弱点である背中を完全にむき出した状態で勝利宣言をした。
S-7 勝者/ジークフリート
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ