S-7 勝者/────
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完全にヒットし、足を止められた。中には深く突き刺さっているものもある。
「────ッハァァァァァァッ!!」
まだ距離はある。だが彼の宝具は対軍宝具だ。
既に間合いに入っている。しかし、その距離ではあの鱗鎧に効果は無い事は明白だ。
だがこのままでは何も出来ない。ならば、小数点以下の可能性に賭けるしかない。
宝具を放つには無理な体勢だ。だが気合いでそれをカバーし、宝具を解放する。
剣から真エーテルが流れ出す。彼の宝具がまた、解き放たれる────
「幻想大剣!」
通常は降り下ろしで黄昏の剣気を放つ宝具だ。今回は無理したこともあり、真横に剣を振ったことにより真一文字状の斬撃がファヴニール目掛けて翔ぶ。
黄昏の斬撃はファヴニールの翼に当たる。幸運にも翼は鱗鎧により守られていない場所だったようで翼に孔を開けた。
これで、もしどちらが逃げたとしてもジークフリートに有利になる。だがそれは「逃げる状況で」だ。依然としてジークフリートの劣勢であることに変わりはない。
「Sieeeeeeeeeeeeegfrieeeeeeeeeeeed!!!!」
自分の翼に傷をつけた宿敵の名前を叫びながらファヴニールは暴れ狂う。その姿はまるで災害。炎が、毒が、武器が、爪が、牙が、その身体全てが災厄となりただ一人の宿敵に押し寄せる。
ジークフリートは一瞬で理解する。あの攻撃の嵐を受けたら死ぬだろうと。
__だが、諦める訳にはいかない。もし俺が死んでも、この邪悪なる竜が次に駒を進めることが出来ないように戦力を大幅に削る事くらいは出来る。
そして、最後の幻想大剣の構えに入る。
まだ来ない。ならばより強い力で押し留められるようにジークフリートも溜める。迫る。迫る迫る迫る。だが、まだ溜める。
そして、彼はその災厄に呑まれる直前に無限の魔力を使い、宝具を放つ────
「『幻想大剣──────」
黄昏の剣気が災厄を押し返そうとする。両者の攻撃は拮抗している……かのように見えるがジークフリートは苦悶の表情を見せている。段々と押し込まれていく。
_すまない……マスター……
最期に、彼は自身のマスターへと遺して災厄に呑み込まれる────
だが、彼は呑み込まれていなかった。当然疑問に思い、周囲を見渡す。自分に襲いかかってきた武器はあちこちに飛ばされ、炎も毒も見当たらない。
「……水?」
そこら中に水が飛び散っている。そして、最もおかしいのはファヴニールの躰を矛が貫いていることだ。
「第4のセイバーか……!」
ここまでくれば誰が何をしたかは明白だ。新たなセイバーが自分を助け、ファヴニールを貫く程の攻撃した。
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