第86話 旧10031号vsトビ
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ねぇ、いきなりだったんで遅れた」
「がは......はぁはぁ。あ、ありがとうございます」
うつ伏せになりながら抉られた傷口を庇うように抱き抱えるようにするとトビの面から滴り落ちた血を見るとロックオンしたようにニヤリとした。
「......!??」
「歯を食いしばれぇぇやー」
上条は右手で反応が遅れたトビの顎下からアッパーカットをする。サラサラと木屑が砂のように一部が欠けたように流れ出した。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
大きく仰け反り、頭から地面に激突しながらも体勢を整えて掌から木の槍を生み出すと上条に突き刺すべく前に繰り出した。
「や、やばっ!」
迫る鋭い木の槍に上条は腕を前に出して防御しようと身構える。
「貴様も死ね!」
トビが逃さない射程で上条の首を射抜くように木を伸ばすが右腕の二の腕に衝撃を感じて力が入らなくなり木の槍が地面に転がる。
「?!」
半袖でやや覆われた部分から血が勢い良く流れ出しており、やけに透き通るような絹ガラスのような声が響く。
「呪い発動......」
血で円の中に三角形を描いた図形に入っている外道の腕に針のような黒い棒が刺さっており、髑髏のような紋様が身体に浮かび上がっていた。
「!?」
トビは背筋が冷たくなるような感じがした。理解出来なかった『恐怖』という感情が身体から面に向かって棘のように伸びて暴れている。
身に覚えのある風貌に、首から下げられたペンダントを揺らしながら無気味に微笑んでいる。
妖しげでもあり、神秘的でもある。
「あ、あの傷は?」
上条がおそるおそる訊くが平気そうな横顔になんとなく口をつぐんだ。
「なるほど。全てを跳ね返す第1位の能力も呪いまでは跳ね返せないみたいようですね。これは良い情報になります」
「上条さま。握りしめてください。お姉さまを苦しめた罰を与えます」
「おっ、おー」
上条の右手を計算に入れた外道はズブズブと針を抜くと持ち替えて自分の足に狙いを定める。
「ひ、飛段の能力!?き、聴いてねぇぞ!どうなってんだ!?」
それを予測済みと言わんばかりに外道は続けた。
「学園都市からの伝言です。技術提供ご苦労様......君達はもう用済みだそうです」
「......」
外道は黒い針を握り締めると今度は自分の太ももを突き刺した。
外道の能力
『死司憑血(ブラッディカース)』
対象者の血を舐めて特殊な陣形に入ると自分と相手の感覚をリンクさせる事ができる。
バランスを崩して倒れ込んだトビに上条立ち塞がり静かに面を右手で掴む。
触れた瞬間からグルグルの面に亀裂が入り、形が保てなくなっていくように崩れ始めていた。
上条の右手に宿る幻想殺しがジワジワとトビの面の力を打ち消していく。
「があああー.....
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