リレイションシップ
ノッキング、ゴング
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ても、その防御に皹を入れるような威力。
金剛はその事実を目の当たりにし、眉間に皺を寄せる。
「霧島、下がりなさい。あとは私が。」
「御姉様、それは拒否します。」
前に出ようとした金剛を、霧島は振り返らずに手で制する。
「御姉様にアレを捉えて防ぐのは不可能、と判断します。」
「difficulties、ではなく、impossible、とは随分な表現ネ……それが事実、というのが一番苛立たしいことデスガ。」
「物分りのよい姉で助かります。あれを見切って防御出来るのは、それに全神経を向けた私だけです。」
姿勢を正し、拳を握り直して打ち据える。
そんな霧島の後ろで熊野が右手に連装砲を構える。
「あれを防ぐ、って考えが浮かぶ時点でどうかしてますわ。あのわけのわからない超高速弾、どうやら次弾発射にはそれなりに時間を要するみたいですし、ならば……」
熊野の後ろで瑞鶴と翔鶴が弓を引く。
「撃たせなければいい、ということでよろしいでしょうか?」
「そういうことよ!翔鶴姉!」
鶴姉妹が矢を放つ。
制止は無用。ゴングは既に鳴っている。
「……ヘリに対して本当に無反応だったな。やっと金剛達に反応して、行動し始めたらしい。」
「相変わらず、食えねぇ司令だな。俺達が囮にされてるんじゃねぇかと、ヒヤヒヤしっぱなしだぜ。」
ヘリから海面にロープ伝いに降り立った木曾と天龍が砲声と爆轟の鳴る島を見ながら、そっとぼやく。
その後ろに龍驤達が続いて降りる
「ウチが一緒にいるのに、信用無さすぎへん?」
「龍驤さんがいると、逆にどうにも私達が本命とは思えないのですが。」
「な、なんでや!実際にはあっちの連中のほうがだいたい囮やないの!」
「囮の囮、というパターンもありましたよね。」
「そもそも最初は主力ではなく要撃部隊でした。」
吹雪の言葉に龍驤は言い返そうとするも、不知火と浜風の追撃ちにたじろぐ。
「しかも、本来なら旗艦の叢雲がなぜか別行動してるしな。叢雲一人に何かをやらそうとしてるのは間違いないぜ?」
本来なら天龍達の水雷戦隊の旗艦は叢雲であった。
それが、打撃部隊から龍驤を外して龍驤を旗艦にした機動部隊として組み直されている。
しかも、打撃部隊は一人欠けたまま。
つまり、叢雲は今、出撃していないのだ。
「いちおう、『おおどしま』の護衛という御題目にはなってるが、叢雲をただの護衛に据えるハズがない。きっとまた、美味しいところで出てくるだろうさ。」
木曾の言葉に皆が頷く。
叢雲の役目は最後の一撃か、最後の後詰。
それは昔から変わらないのだ。
「ま、実際には隠居して食っちゃ寝してたせいでマトモに動けんのかもしれへんけどな
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