リレイションシップ
ショウ、ダウン
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このブルネイにも手を回したのだろうか。
なんにせよ、壬生森は市ヶ谷内部のパワーバランスには口出しするつもりはない。
「市ヶ谷がもう少し短絡的だったなら、君が自重していなければ、と考えるとぞっとする話だね。」
「ぞっとする、どころじゃねぇよ。今だってなにも知らないこっちの娘達も海域封鎖に回ってるんだ。ふざけやがって。」
「まぁ、待ちなよ。海域封鎖に出ている君の娘達は少なくとも、私がこの島にいる間は無事だ。」
「どういうことだ?アンタが核攻撃を阻止するってのか?」
どこかに駈けていこうとした金城を壬生森が止める。
壬生森は、明らかに気が立ってるだろう金城に頭を抱えつつ、自分がこれから赴く作戦の概要を話すことにする。
「少なくとも、私がしくじるまでは、核攻撃はないよ。そのために私が来たのだ。」
熊野が壬生森に話を持ち込んだのは、米国から核攻撃を呈示され、市ヶ谷が熟慮を始めたタイミング。
その熟慮の間に壬生森は駆け回り、働きかけ、市ヶ谷が熟慮の末の同意をする、その僅か前に、ある部署から『待った』をかけることに成功した。
内務省危機管理情報局。
市ヶ谷からしたら、とんだところからの待ったである。
何しろ、市ヶ谷と内閣、そして米国だけで内部にすら極秘に進めていた話に、本当の蚊帳の外から内務省が割って入ってきたのだ。
内務省危機管理情報局が出したプランは、かつてネームレベルを撃破した最後の経験のある艦娘達、つまり表向きにはかつて存在した、裏向きには魚釣島にて現存する即応部隊『蒼征』の投入。
権力の拡大が予想された海軍へのカウンターマスとして、 かつて自衛隊から海軍を再編する際に内務省がどさくさ紛れに わざわざ海上保安庁を国交省からブン取る形で傘下に入れ、その海上保安庁所の属としていた本当に初期の艦娘達を独自に指揮下に入れた、海軍の裏切り者とすら言うべき部隊。
言うなれば、“ネームレベルを狩ることをわかっている連中” による電撃的急襲でのネームレベル『ハーミテス』の撃破 。
米国側はリアルタイムでのネームレベル狩り、また米国がタイプワンと呼ぶ初期の艦娘の戦闘データを得られる可能性に関心を示し、当然ながら横入りしてきた内務省に市ヶ谷は憎々しくすら思っており、内閣は三者三様の板挟みとなることになった。
そんな交渉のテーブルで内務省が得たのは、作戦実行までの時間。
さらに言えば、実質的な核攻撃の開始時刻の決定権。
壬生森達がトラックに突入してから12時間後までに、ネームレベル『ハーミテス』が撃破された場合、トラック泊地への熱核攻撃は中止。
残敵があれば第三種特異種対応として、次なる戦力の派遣による殲滅する。
この条件を捻出し、時間を捻出し、実行に持ち込んだ旧トラック泊地突入作戦。
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