リレイションシップ
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分後ほど。
「アンタがそんなに恭しくなる時は決まってろくでもない用事に決まってるわ。用件を言いなさいよ。」
「叢雲?相変わらず物事を円滑に運ぶための社交界のいろは、というものが欠けているようね。社交辞令くらいは渋々、我慢して交わしておくものよ?」
「へぇ、私とアンタは社交辞令交わす程度に友好的な間柄だったわけ?それは初耳だったわ。あとで付箋に書いてクリップボードに貼っておいてあげる。」
腕を組んで、長ソファーの肘置きに腰掛けるようにしている、その長く柔らかそうな髪も、チューブトップドレスのような装いも、夏の雲のような白で固められた、紅い目の少女に対して、笑うとも睨むとも付かないような微妙な表情で対峙している彼女の名は、熊野。
かつてはこの部屋の主である男の部下であり、くせ者だらけだった彼の主戦力を裏でまとめていたある意味で一番の苦労人。
今も彼女は、形は違えど彼の率いていた部隊をまとめている。
「さて、熊野。叢雲の言うことも、わからんでもあるまい。相手が焦れる前に本題に入るというのも、たしなみだと思うが。」
「せっかちですのね。久しぶりに顔を会わせた見目麗しいかつての部下に、もう少し美辞麗句を並べてみては如何かしら?」
「自分で言ってたら、世話ないな。そういうところも本当に、相変わらずで何より、だ。」
「変わらない私は、お嫌いでして?」
「いいや、気に入っている。」
熊野は彼の言葉に満足したかのように、満面の笑みでまるでステップを踏み、踊るような歩みで、叢雲と壬生森が座っている反対側のソファーに座る。
「さぁ、仕事の話をしましょう。私は、いえ……私達、蒼征は、貴方達を必要とする事態に直面しております。」
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