496部分:第四十話 曹操、華陀に会うのことその一
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第四十話 曹操、華陀に会うのことその一
第四十話 曹操、華陀に会うのこと
曹操はだ。今一人の少女と会っていた。
見れば緑の髪をシャギーにして肩の長さにしてだ。大きな青い目をしている。鼻は少し大きく口は小さめのものである。
赤と白のタートンチェックのスカートに同じ柄の制服の様な服だ。黒い太腿までのハイソックスに靴という格好である。その足元には大斧がある。
彼女はだ。曹操の前に片膝をついて控えてだ。こう名乗ったのだった。
「徐晃といいます」
「話は聞いてるわ」
曹操は己の座から彼女に言葉を返した。
「かなりの武芸の持ち主だとのことね」
「世間ではそう言われているようですが」
「それでどうしてなのかしら」
曹操は彼女に問うた。
「私のところに来たのは」
「それは曹操様がです」
徐晃は曹操を見上げながら話すのだった。
「天下の乱を治めるのに相応しい方だと思ったからです」
「それで私なのね」
「はい、曹操様ならばそれができます」
そうだというのである。
「ですから」
「その言葉受け取らせてもらうわ」
曹操はここでは笑っていなかった。
「けれど」
「けれど?」
「その武芸は本物かしら」
彼女は少し挑発する感じになっていた。
「斧を使わせては大陸一というのは」
「ではお見せして宜しいでしょうか」
徐晃もだ。曹操のその挑発に不敵な笑みで返した。
「それを見せてくれるのね」
「はい」
その通りだというのだった。
「今から」
「わかったわ。それじゃあね」
この言葉と共にであった。後ろからだった。
扇が来た。それが徐晃に迫る。
徐晃は振り向かない。そのまま足元の斧を手に取りだった。
振り向きざまに一閃した。それで扇を叩き潰した。
「むんっ!」
かなりの重さがある斧をだ。両手に持ちそのうえで一閃した。しかしそれで終わりではなかった。
斧の先にある槍でだ。さらに突くのだった。
「そこね!」
「うむ、左様なり」
それは残念ながら受け止められてしまった。見ればだ。狂死郎がそこにいた。彼は薙刀でその斧を受け止めてみせたのである。
狂死郎はだ。落ち着いた声で言うのであった。
「わしの扇を潰すとは御主見事なリ」
「貴女もね」
徐晃も不敵な笑みで彼に言った。
「私の突きを防ぐなんてね」
「どうやら五分と五分」
「ええ、確かに」
その二人を見てだ。曹操はあらためて述べた。
「わかったわ」
「おわかりになられましたか」
「千両狂死郎の扇はそう簡単には避けられないわ」
このことは曹操も知っていることであった。
「それを叩き潰したうえでさらに突きを入れるなんてね」
「はい」
「見事よ。噂通りね」
こ
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