暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第十三話 狩人その六

[8]前話 [2]次話
「これからな」
「では案内致します」
「それじゃあな」
 微笑んだまま順一に言う、そしてだった。
 二人は順一の案内で森の道を奥に奥にと進んでいった、そうして進んでいき道の先に見えた。
 一軒の家だった、木造の西洋風の家を見て久志はまずこう言った。
「童話に出そうな家だな」
「赤ずきんちゃんですね」
「ああ、それ思い出したよ」
「私もそう思っています」
 その森の中の家を観つつだ、順一は久志に答えた。
「最初に観た時から」
「それか白雪姫のな」
「七人の小人のですね」
「あの家だな」
「どちらにしても森の中にある」
「童話の家だな」
「そんな感じですね」
「ああ、けれどいるのは狼でも小人でもなくて」
 久志はここで目を強くさせて言った。
「狩人か」
「そうです」
 その者だというのだ。
「私達が探している」
「そこは童話と違うな」
「そうですね」
 久志のその言葉にだ、順一は思わず笑みになって返した。
「幸い」
「狼なんかが待っていたらな」
「即座に切り捨てますか」
「いや、餌付けしたいな」
 童話の様に狼がいればとだ、久志は順一に笑って言った。
「その場合は」
「狼ならですか」
「ああ、狼ならな」
「餌付けしてですな」
「犬としてですか」
「使いたいな」 
 順一にそれが何かも話した。
「犬もいるとな」
「頼りになりますね、確かに」
「狼って実は犬の祖先だろ」
「だからですか」
「飯をやってちゃんと接していたらな」
 そうしていればというのだ。
「仲間になるだろ」
「その通りです」
 実際にとだ、順一も久志にはっきりとした声と笑顔で答えた。
「狼は実は相当に餓えていませんと」
「人を襲わないよな」
「はい、そうです」
「だから家畜化して犬にもなったよな」
「ですから狼を無暗に倒すよりも家畜化することは」
「いいことです」
 そうだというのだ。
「久志さんの考えは」
「そうだよな、家畜は領地を持ったらな」
「そこから本格的になりますね」
「犬だけじゃなくてな」
「豚や羊もですね」
「特に牛や馬だな」
 久志は自身が今曳いているその馬を見た、順一の馬もあるが今は二人共今から小屋に入るので降りているのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ