495部分:第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十四
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第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十四
「まあ気にするな」
趙雲がその関羽に言う。一行は今帰路を歩いている。左右は見渡す限りの水田だ。農民達がその中で田の手入れに余念がない。
「結果はよかったのだからな」
「結果はなのか」
「そうだ、袁術殿は南部も治められることになったのだ」
「それはな」
「それはいいことではないか」
彼女が言うのはこのことだった。
「そうではないのか?」
「ううむ、そうなるのか」
「だよな、確かにな」
馬超も趙雲の言葉に頷く。
「結果としてな。いいことになったよな」
「そうだ。幽霊と言っても悪い存在ばかりではない」
趙雲の話のポイントはここだった。
「いい幽霊もいるのだ」
「しかしあの幽霊は誰だったんだろうな」
馬超は腕を組んで考える顔になって述べた。
「それが問題だよな」
「南部の人だったのかな、本当に」
馬岱はこのことを少し疑問に思った。
「やっぱり」
「違うかも知れないわね」
だがだった。黄忠はこう言った。
「袁術さんを導く為の守護霊だったのかもね」
「それにしては劉備さんそっくりでしたけれど」
「あの人は確か」
ここでだった。孔明と鳳統はこの名前を出した。
「漢の高祖劉邦様に」
「そっくりだったような」
「私のそもそもの御先祖様に」
劉備は中山靖王の子孫である。その王の祖先がその劉邦であるということなのだ。
「そうなのね」
「ううん、となるとやっぱりこの世界にも」
「幽霊がいます」
孔明と鳳統はあらためてこの結論に至った。
「守護霊ですけれどそれでも」
「いますよね」
「けれどいい幽霊もいますから」
月はこう話した。
「ですから特に」
「そうですね。それじゃあ」
「そう考えます」
孔明と鳳統もここで遂に納得して頷いたのだった。
そんな一行だった。そしてだ。
劉備がだ。ここで元気に話すのだった。
「じゃあ長い旅でしたけれど」
「そうなのだ」
「それもこれで終わりなのだ」
関羽と張飛が明るい顔になって話した。
「ではだ」
「桃家荘に戻るのだ」
「はい、皆さん待ってますよ」
劉備もまた明るい顔になっていた。
「それで帰ったら」
「宴を開こうか」
「帰還の宴なのだ」
「いえ、まだあるわ」
神楽が言葉を加えてきた。
「劉備さんの剣が戻ったことをね」
「そうだったな。まずはな」
「それなのだ」
「とにかく。皆で派手にお祝いしましょう」
神楽も明るい顔で話す。
「仲良くね」
「そうしましょう。じゃあ御馳走を用意して」
「お酒にお菓子も」
孔明と鳳統もにこにことしている。
「皆でお祝いですね」
「楽しくなりますね」
「さて、問題はお魚ね」
神楽はここで魚を
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