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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第二十六話
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、固定砲台法、またの名をハイパーズポーズ(いまだに思い出し笑いが止まらない。)をとる。
 
息を吸って、集中。
 
発射。
 
右肩への衝撃に耐えた後、魚雷の行くえを見守る。
 
魚雷は途中まで真っ直ぐ進んでたのだが、途中で左に大きく旋回したかと思えば、近くの岩場に激突した。
 
訓練用の魚雷だから爆発はしなかったが、それ以外は本物と同じはずだ。
 
「ちくしょう、なぜ当たらん。」
 
木曾ですらわからなかったものが俺に分かる訳もなく、この二日間位悩みっぱなしだ。
 
いっそのこと、魚雷を手に持って投げてやろうか。今の状態なら絶対その方が精度高いだろう。
 
そんな感じで悩んでいる時だった。
 
 
 
「入れようとしなきゃ入らない、だろ?」
 
 
 
いつの間にか隣に移動していた悠人がそう言った。
 
「…………それって、中学の時の顧問のセリフじゃねぇか。」
 
俺が中学生のとき、少しスランプに陥っている時期があった。何本シュートを打っても入らない、むしろゴールやボードにかすりもしない、そんな状況だった。
 
そんなとき、顧問の先生が俺にそのセリフを言ったんだ。
 
「要するによ、またあのときと似たような状況なんだろ?だったら原点回帰だ。」
 
あのときも、こうしたらどうだろう、ああしたらどうだろう、このほうがいいかな、どうしたらいいだろうと、ひたすら考えてた。
 
その時と同じだ。
 
 
 
 
「まずはあれに絶対当てると思っとけ。当たるかもなんて中途半端な気持ちじゃ、当たるもんも当たらねぇ……そうだろ?」
 
 
 
あぁ。
 
こいつは、確かに親友だ。
 
俺のことをよく知ってらぁ。
 
「サンキュー。いいこと聞いたわ。」
 
俺は再び的の方に向き直って、構える。
 
…………ぜってー当てる。これ当たんなかったら昼飯お握り一個だ。
 
俺はそんなことを思いながら、約二百十メートル先の的に狙いを定める。
 
バスケで言うなら、ラスピリ残り一分、同点で貰ったフリースローの様な気持ちで望む。
 
「…………………。」
 
俺はじっと海の様子を見ていた。
 
波は低めで左から右。少し右よりで撃とう。俺はそう思って少し右に体を向ける。
 
大きく息を吸って、止める。
 
「………………はぁ!」
 
俺は意を決して引き金を引いた。右肩に衝撃が走った後、魚雷が発射された。
 
「いっけぇえええええええええ!」
 
魚雷はほぼ真っ直ぐの軌道で進んでいた。しかし、途中で波に軌道を変えられたのか、少し左に曲がり始めた。
 
「当たれえええええええええ!」
 
願いが通じたのか、魚雷はそのまま的に向かって進ん
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