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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
494部分:第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十三

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第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十三

「修復するぞ。よいな」
「はい、わかりました」
 張勲はここでもにこりとしていた。そのうえで主の言葉を受けるのだった。
 こうして袁術は南部も治めることにした。このことは帰路についた劉備達の耳にも入った。
「何はともあれよかったですね」
「はい」
 孔明と鳳統はこのことに素直に喜んでいた。
「袁術さんはやればできる人ですから」
「後は大丈夫です」
「そうか。それは何よりだ」
 関羽も二人の笑顔と言葉に笑顔になった。
「これで荊州全域が無事に治まるな」
「そうなのだ。しかし」
 張飛は視線を上にやって考える顔になって述べた。
「劉備殿はあの時恐過ぎたのだ」
「うむ、あれはな」
「凄かったよな」
 趙雲と馬超もそのことに頷く。
「あそこまでいくとはな」
「予想以上だったよ」
「というか予想を遥かに超えていたわね」
 黄忠はこう言った。
「私自信あったけれどそれ以上だったわ」
「そうですよね。あれはもう」
 馬岱も話す。
「本物並でしたよ」
「本物って?」
 だが、だった。当の劉備はきょとんとした顔で返すのだった。
「あの、昨日ですけれど」
「主役だったわね」
「凄かったですよ、本当に」
 神楽と命も彼女に話す。
「一人で話を終わらせるなんてね」
「八面六臂とはあのことでしたの」
「すいません、実は」
 両手を顔の前で合わせて目を閉じて言う劉備だった。
「昨日幽霊になった後で寝てしまいました」
「寝たって」
 それを聞いてだ。ミナはきょとんとなった。
「どういうことなの、それは」
「お化粧して行こうって思ったらそこで」
「そこで?」
「一体?」
「寝ちゃったんです」
 そうだったというのである。
「本当にすいません」
「ということはなのだ」
「あの人は」
 ここでだ。勘のいい張飛と馬岱はわかった。その瞬間に真っ青になった。
「まさか本物なのだ!?」
「本物の幽霊!?」
「ち、違うと思いますよ」
「私もです」
 孔明と鳳統は慌てて二人の考えを打ち消そうとした。
「お化けとか幽霊はこの世界には」
「いないですから」
「けれど私の世界には」
 ここでまた言うミナだった。
「いたから」
「ですからそれはミナさん達の世界ですから」
「私達の世界には」
「こっちに来てるかもね」
 神楽はここでまた二人にとっては余計なことを言った。
「ひょっとしたら」
「そうよね」
 黄忠も話す。
「ミナちゃん達が来てるんだし」
「はわわ、じゃああの人は本当に」
「幽霊だったんですか」
「ううむ、何ということだ」
 そうしたことが苦手な関羽も真っ青になっている。だがここで言うのだった。

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