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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
493部分:第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十二
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第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十二

「そうだ、そなたが治めていれば私は死ななかったのだ」
「し、しかしじゃ」
 袁術は青い顔で言い訳に入った。
「あの地にはお化けがいるではないか」
「妖怪か」
「その様な場所に行けるものか」
 こう言うのであった。
「わらわはそうした相手が大の苦手なのじゃ」
「化け物が怖くて政ができるのか」
 幽霊の声は厳しいものになった。
「それを言うのならだ」
「どうするというのじゃ」
「私がそなたをじゃ」
 声が一層怖いものになった。
「ここで取り憑いてもよいのだぞ」
「な、何っ!?」
「そなたを祟り殺し七代まで祟る」
 この言葉と共にであった。
 顔が一変した。劉備のその整った顔からだ。急に痩せこけて髑髏の顔になってだ。その顔で袁術に対してさらに言うのだった。
「それでもよいのか」
「た、祟り殺すじゃと!?」
「この世で最も恐ろしい目に遭わせてやろうぞ」
 こんなことまで言った。
「それでもよいのか」
「い、嫌じゃ」
 それはすぐに否定した袁術だった。
「それは勘弁するのじゃ。わらわは怖いものが大嫌いなのじゃ」
「ではどうするのだ?」
「な、南部じゃな」
「そうだ」
 まさにそこだというのだった。
「私はそこで死んだのだ」
「それではじゃ。わらわはそこも統治しようぞ」
 恐怖で青くなった顔で話す。
「それでよいのじゃな」
「その言葉偽りはないな」
「ない、ないぞ」
 こくこくと必死の顔で頷く。
「絶対にない。安心するのじゃ」
「嘘は許さぬ」
 また言う幽霊だった。
「そのことしかと誓うがよいぞ」
「誓う、誓う」
 袁術はここでもこくこくと頷く。
「だからもう帰ってくれ。わかったから」
「ならばよい」
 幽霊もこれで頷いたのだった。
「では。南部も治めるのだ」
「わかったぞえ・・・・・・」
 泣きながら言う袁術だった。何とか失禁はせずに済んだがそれでもだった。彼女にとってはこの上ない恐怖の夜であった。
 そうして次の日だった。袁術は朝起き朝食を食べながらだ。共に朝食を食べている張勲に対して言うのだった。二人共粥を食べている。
「七乃よ」
「はい、美羽様」
「わらわは決めたぞ」
 こうその睡眠不足でやつれ気味になっている顔で話した。
「南部も治める」
「お化けはいいんですか?」
「よい、よいのじゃ」
 ここでも必死の顔だった。
「もうよい。これでじゃ」
「わかりました」
 張勲は袁術のその言葉ににこりとして頷いた。
「それでは皐ちゃん達にお話しておきますね」
「役人を派遣し兵達に賊を退治させよ」
 袁術はまずはこう命じた。
「街も田畑もじゃ。整備して開墾していくぞ」
「城壁もですね」
「う
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