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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第92話:モブらはみんな生きている 五
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彼女は軍ではなく、城のメイドとして働いてる。
そんな流れで何時の間にか友人になった女だ。
因みに今現在もメイドとして働いてる古株メイドだ。
「ウキウキした足取りのジョスを見かけたから、声をかけずに後を付けたの? そしたらこんな所で懐かしい顔触れが集まってるじゃない。こっそり陰から見守ったってワケ」
「こっそり見守るって何だ? ただの覗きじゃねーかよ」
「あ〜らライオネル。覗かれたくなかったら、こんな公衆の面前に集まらない方が良いわよ」
「別に悪いことしてるワケじゃないんだから、公衆の面前に居ても問題無いだろ! お前こそ最近、公衆の面前で恋人とイチャ付いてるって聞いたぞ!? 如何しちまったんだ?」
「こそこそ恋愛することに飽きたのよ。恋する自由は私にだってある訳だし……」
「新しい恋人かしら? それとも依然と変わらずサミーンと付き合ってるの?」
流石はジョスだ……聞きにくい事をズカズカ聞きまくる。
「今も昔も私はサミーンとラブラブなの? 悪い、女の私が女兵士のサミーンと付き合っちゃ?」
「悪いとは言ってないだろ。思ってたら今更じゃなく、昔に言い触らして同性愛者として晒し者にしてたっての!」
そうなのだ……彼女は同性愛者で、付き合ってる相手はサミーンという女兵士なのだ。
以前なら同性愛者という趣向は、そうで無い者達から忌諱される存在だった為、俺達も二人の関係を知って、周囲には知られないように心掛けてきた。
だが何故だか最近は、同性愛者に対して寛容な雰囲気が広まっていき、サマンサ達も大ぴらに恋愛を謳歌することが出来ている。
なぜそうなったのかは解らないが……
「皆には感謝してるわ、私達の関係を秘密にしてきてくれて。でもね、新しい上級メイドのジョディーが、自分も同性愛者である事をカミングアウトして、可愛い新人メイドを恋人にしちゃったのよ。それ観てたら隠してるのが馬鹿らしく感じちゃって、私もサミーンと人前でイチャ付く事にしたの。そうしたら私等以外にも居たらしく、結構同性愛カップルが出現。吃驚よね……城で働く三割弱は同性愛者だったなんて!」
「なるほど……王家の側で働く上級メイドが同性愛者だったことをカミングアウトしても、陛下等が何も言わないから周囲の者達も批判しにくくなったのね。それで貴女達も気兼ねすることなく恋愛することが出来るようになった」
「まぁそういう事かしらね。でもよくよく考えると、以前から王家の方々は同性愛者について何も言って無かったのだから、我々が勝手に気にしすぎてた様な気もするのよね」
確かに陛下などは無類の女好きではあるが、同性愛については何も言って無い。
「それでジョン。貴方もマリー&ピエッサのコンサートを観に行きたいのかしら?」
「何だサマンサ……お前がチケット
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