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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第92話:モブらはみんな生きている 五
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詞が滅茶苦茶良い!! 兎も角、一度聞いてみろ」
「そうよね。私も息子に頼まれて初めて聞いたけど、今までに無いタイプの音楽だったわ。ジョンでも気に入ると思うわよ。特に『愛は勝つ』って歌は最高よ」
「随分とクサいタイトルだな……」
「確かにタイトルだけ聞くとクサいが、曲と一緒に歌詞を聞くと感動するぞ。なぁジョス」
俺がタイトルのクサさに野次を入れると、ライオネルがシミジミと感動を押し売りしてきた、ジョスに同意を求めつつ。
「確かに……私は『DIAMONDS』が好きよ。息子が言うには、以前からこの曲を口遊んでいたみたいだし」
「以前から? 何だ、息子さんはマリー&ピエッサとは知り合いなのか?」
子供が知り合いだったら、俺を経由しないでもチケットは手に入るだろうに……
「違うわよ。ボーカルのマリーって
娘
(
こ
)
は、まだ13.4歳なの。息子と同じ学校に通ってて、あれだけの美人だから目立つ存在なのよ」
‘あれだけ’と言われても、俺は見た事ないから判らない。
「俺が聞いた話では、マリーちゃんの才能を見出した芸術高等学校の理事長が自分の姪っ子と組ませて、歌姫ユニットとしてデビューさせたらしいぞ。披露してる歌は全てマリーちゃんの方が作ってるらしいし」
「はぁ〜……天才って事ね」
音楽を含めた芸術に対しての有識者たる芸術高等学校の理事長が見初めて、更に自らの縁者を宛がうって事は、本当にその娘は天才なのかもしれないな。
少し興味が湧いてきたな。
「おいライオネル。そんなにその二人を勧めるのなら、お前のチケットを寄こせよ。俺がお前の息子とコンサートに行くから……」
「ふざけるなよ! 俺だって観に行きたいんだ。彼女らの歌を楽しみたいんだよ!」
「簡単に入手できないみたいで、ハロルドに『これっきりだぞ』って言われたんだよ」
「残念だったな、今更興味持ったって遅いんだよ」
何だよ……散々勧めといて。
「ちょっとジョン……アンタ、財務省に勤めてるゾーイと付き合ってたんでしょ。彼女に頼んでみなさいよ」
「もう別れて随分経つんだぞ。頼める訳ないだろう」
今更そんな事を頼めるか!
「あの女とは気が合ってたじゃねーか。何で別れたんだ? これを機会にヨリを戻せば良いじゃねーか」
「俺も彼女も仕事が面白くて別れたんだ。ヨリを戻す訳ないだろ」
「円満別れだったら恋人同士から友人関係になっただけ……チケットを頼むのには問題無いんじゃねーのか?」
そんなくだらないことでアイツに借りを作れるか!
「ムリよライオネル。その人はゾーイに借りを作りたくないの。そうよねジョン?」
「何だサマンサ……何時から居たんだ?」
突然現れたサマンサ……まったく、何時から居たんだよ?
この
女
(
サマンサ
)
も古い友人だ。
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