その3
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旅行当日となった。なお、当時の交通状況については静岡空港が存在せず、空路で鹿児島へ行くには一旦東京へ出て、羽田空港から乗り継がなければならなかった。なお、鉄道においても九州新幹線は未開業、山陽新幹線も当時は岡山までしか走っておらず、そこから西は整備中であった。清水から指宿に行くには、東海道線浜松駅(当時は静岡駅は通過していた)から寝台特急「富士」で西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)まで行き、指宿枕崎線に乗り換えて指宿へ向かうというルートが一般的で妥当であった。
さくら家は寝台特急で鹿児島県へと向かっていた。その朝方・・・。
まる子「ふえ〜、早く着かないかねえ〜」
まる子は列車の中で待ちくたびれていた。
友蔵「まる子や、こういう時は窓から外を眺めると楽しい気分になるんじゃよ」
まる子「ええ〜退屈だよ〜」
友蔵はこの一言でショックを受け、気が抜けてしまった。
列車が西鹿児島駅に着いたのは夕方になった。さくら家は指宿枕崎線に乗り換えて指宿に向かった。指宿駅に着いた時には夜7時をすでに超えていた。
さくら家は歩いて旅館に向かった。
まる子「お父さん、いつになったらつくの・・・?」
ひろし「うるせえ、もうすぐだ!それまで我慢しろ!」
まる子「タクシー使えばいいのに・・・」
ひろし「何言ってんだ、こんな歩いて10分の距離なのに金がもったいねえよ!」
そして、そんな会話の2、3分後、家族は予約した旅館に到着した。入口には仲居の男性と旅館の制服とされる着物姿の女性従業員が3名出迎えて「ようこそおいでくださいました」とお辞儀した。
ひろし「ろ、六名で予約をしていたさくらと申します・・・。」
白川「ようこそいらっしゃいました。この旅館の仲居の白川と申します。どうぞごゆっくりおくつろぎください。矢崎、部屋を案内して差し上げてくれ。」
矢崎「はい」
さくら家は矢崎と呼ばれた女性の係員に部屋まで案内された。
まる子「ふう、やっとのんびりできるね」
お母さん「それじゃあ、早速お風呂と行きましょうか」
友蔵「では、行こうか」
家族は浴場へと向かうのであった。女湯では・・・。
お姉ちゃん「明日は待ちに待った砂むし温泉・・・!待ちきれないわね〜」
まる子「お姉ちゃんもお母さんもそういえば楽しみにしてるよね。まる子もいいかな〜?」
お母さん「あら、いいと思うわよ」
おばあちゃん「それじゃあ、皆で体験とするかね」
一方男湯では・・・。
ひろし「ふえ〜疲れた。出たらビールを浴びるほど飲むぞ」
友蔵「何を言うんじゃ。お前の楽しみはビールしかないのか」
ひろし「旅館の飯と
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