ペルソナ3
1758話
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サーから受け取ったゲイ・ボルグだ。
クー・フーリンが使用していた宝具だけに、その性能の高さは言うまでもない。
これで、実はこのスライムもどきに効果がなかったら、どうしようかと考えてしまうだろうくらいには。
俺に向かって伸びてきた手に対し、振るわれる槍。
槍らしい突きではなく、横薙ぎの一撃。
だが……ゲイ・ボルクの一撃がスライムもどきの手に触れた瞬間、そのスライムもどきはまるで液体のように姿を変え、消えてしまう。
それこそ、まさに水風船を地面に向かって叩きつけたといった印象を受ける感じの結末。
「……え?」
あまりに予想外の展開に、俺の口から自分でも分かる程に間の抜けた声が出る。
いや、だって……本来は捕らえる筈だったのが、まさかこんな結果になるなんて思ってもみなかったし。
本来の予定なら、今の一撃であの手を斬り飛ばして、スライムもどきの身体の本体は確保する予定だったのだ。
まぁ、今考えれば、捕虜にするにしてもどうすればいいのかといった問題もあったのだが。
そもそも、捕虜にしたところで喋れる訳でもなし。
それでも色々と調べる事が出来れば、あのスライムもどきの生態とかそういうのを知る事が出来たんだろうが。
「ちょっとー! 捕まえるんじゃなかったのー!?」
少し離れた場所にある屋根から、女の叫ぶ声が聞こえてくる。
あー……うん、そうだな。ちょっとやっちまったのは間違いない。
トン、と地面を蹴って空中に浮き上がっていく。
そうして女の側に着地しながら、小さく溜息を吐いて口を開く。
「まさか、あの程度で死ぬとは思ってなかったんだよ。……いや、死ぬって表現でいいのか? あのスライムもどきは本当に生きてたのか?」
ふと気になって自分のステータスを見るが、撃墜数は変わっていない。
BETAっぽい感じの奴等なのか?
「知らないわよ、そんなの。……にしても、君、その槍はどこから出したの? 持ってなかったわよね?」
「あー……そうだな」
俺にとっては空間倉庫というのは使えて当然のものだ。
また、W世界では大々的に使っていたという事もあり、ここが未知の世界であると理解はしていたものの、行動はちょっと迂闊だったな。
「それに、その槍……何だか、見た感じもの凄いんだけど……」
「まあな。色々と逸話のある槍だし」
宝具という言葉を口にしてもいいのかどうか迷ったのだが、取りあえずそうしてお茶を濁す。
こうして見る限り、この女の外見は今時の女子高生といった感じだ。
宝具とか何とか、そんな事を言っても恐らく理解出来ないだろう。
いやまぁ、こんな現象に巻き込まれたんだから、これからその手の武器に触れるような事になる可能性は十分にあるが。
「色
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