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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
491部分:第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十

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第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと十

「それになったのだ」
「そうなんですか」
「それでそれなんですか」
「これは怖いのだ」
 とにかく張飛はそれだった。そうしてだ。
 今度は関羽を見た。彼女の姿は神楽達と同じだった。二人はそれを見てこう言うのだった。
「愛紗さんはそれでいいですね」
「それじゃあ」
「ううむ、私はどうもな」
 関羽はその被りものの中から言うのだった。
「こうしたことは苦手でな」
「ええ、私も」
「私もなの」
 そうだとだ。神楽とミナも話す。
「だから悪いけれど」
「チャンプルもいるし」
「私も。これで許して下さい」
 月も少し申し訳なさそうである。
「ちょっと」
「あっ、いいですよ」
「気にしないで下さい」
 孔明と鳳統もだ。彼女達と同じものを被って話す。
「私達も同じですから」
「そういうことです」
「ただ」
「問題は」
 ここでだった。最後の一人だった。 
 劉備をだ。ここで呼ぶのだった。
「劉備さん、もう少しですか?」
「もう少しかかりますか?」
「すいません」
 劉備からの言葉だった。部屋の隅の囲いの中からである。
「もう少しです」
「わかりました」
「落ち着いてやって下さいね」
 こう彼女に声をかけた。
「劉備さんがこの策の軸ですから」
「ここは」
「私が軸なんですか?」
「だって劉備さんって」
「可愛いだけじゃなくて化粧映えもしますから」
 だからだというのである。
「もううんとしてもらわないと」
「いけませんから」
「だからなんですね」
「はい、だからです」
「宜しく御願いします」
 こう彼女に言うのであった。そうしてであった。
 一同は準備を進めてだ。袁術の寝室に向かう。袁術は気持ちよさそうにベッドの中で寝ていた。
「うう、もう食べられないのじゃ」
「寝てますね」
「そうですね」
 まず孔明と鳳統が確かめた。
「今です」
「それなら皆さん」
「うむ、行こう」
 趙雲が言った。
「宴のはじまりだ」
「趙雲ちゃんって本当に楽しそうね」
「うむ、うきうきしている」
 趙雲は実際に神楽にこう返した。
「実にな。しかし」
「しかし?」
「私のことは真名で呼んでくれ」
 こう彼女に言うのだった。
「ミナ殿も月殿もだ」
「それでいいの?」
「私も名前で呼んでいるからな」
 この話もするのだった。

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