490部分:第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと九
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第三十九話 幽霊、袁術を驚かせるのこと九
「万全です」
「他の人は」
鳳統は周囲を見ていた。そのうえでだった。
神楽、ミナ、それに命は頭から白い布を被っている。そして目だけを開けていた。鳳統はそれを見て満足した顔で言うのだった。
「万全ですね」
「そう、それならね」
「私も」
「これでいきます」
「はい、後は」
「私の方もできたわ」
黄忠はだった。顔を白く塗って赤く縁取りしてだ。如何にもという格好になっていた。服も異様に派手な赤いものである。
「これでいいかしら」
「うわっ・・・・・・」
「これはかなり」
鳳統だけでなく孔明もいささか引いてしまった。
「怖いです」
「というかこれ程までとは」
「夜叉を想像してきたけれど」
それでだというのである。
「どうかしら」
「はい、万全です」
「これなら」
「私もだ」
今度は趙雲だった。
「できたぞ」
「あっ、いいですね」
「星さんも万全です」
「うむ、それは何よりだ」
彼女もあえて不気味な化粧をしていた。口元に派手に大きく紅に口紅をしてた。そして目も青く縁取りして爪も大きいものを付けている。
そしてだ。こう言うのだった。
「実は私はだ」
「はい」
「こうしたことはなのですね」
「そうだ。こうした性質の悪い冗談が大好きなのだ」
実に楽しそうに話す。
「さて、楽しませてもらうか」
「皆さんいけてますね」
「後は」
張飛を見た。しかしだった。
二人はだ。張飛に対しては難しいような困ったような笑顔になってだ。そうしてそのうえでこう彼女に対して言うのであった。
「あの、鈴々ちゃん」
「その格好は」
「これなのだ?」
「ええ、それは」
「一体」
見ればだ。張飛の格好は蓑を着て頬に左右に三本ずつの髭を描いている。そして鼻を赤くさせている。そうして言うのであった。
「これははんにゃもんにゃなのだ」
「はんにゃもんにゃ?」
「確かそれは」
「そうなのだ。夜に便所に行くといるのだ」
こう二人に話すのだった。
「そしてお尻を撫でる。恐ろしい妖怪なのだ」
「恐ろしいって」
「それなんですか」
「そうなのだ。それなのだ」
また言う張飛だった。
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