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ドリトル先生と悩める画家
第十二幕その五

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「また違うんだよ」
「ううん、だからなんだ」
「今の太田さんは違うんだね」
「そうだよ。何はともあれね」
 先生はさらに言いました。
「今の太田君は絵も違うよ」
「あれっ、そう?」
「変わらないよね」
「うん、これまでの様子もそう思ったけれど」
「絵はそれ以上よ」
「前と一緒じゃ」
「どいう違うの?」
 皆首を傾げさせて言うのでした。
「前もこんな絵だったよ」
「そこは何も変わらないじゃない」
「何処はどう違うのか」
「全然わからないわよ」
「何がどうなのか」
「一体」
「いやいや、前とは全く違うよ」
 ですが先生はこう言うのでした。
「前は暗がりの中にあった感じが今ではお日様の下にあるよ」
「そうかな」
「そう見える?」
「いや、先生はそう言うけれど」
「ちょっと」
「何も変わらないんじゃ」
「それこそ前と」
 皆先生の言葉に首を傾げさせます、とにかくです。
 皆が見る限り太田さんの絵は前とは同じに見えます、ですが先生が言うのは違うのです。見違えるまでになったというのです。
 それで、です。また言った先生でした。
「この調子でいけばいいね」
「そうですか」
「そう、このままね」106
 太田さんにも言うのでした。
「いけばいいよ」
「じゃあおl部屋や服を変えて」
「スランプにも気をつけて」
「そうしてですね」
「やっていけばね」
「冬や梅雨で曇りが続いても」
「もうスランプにはならないよ」
 お部屋や服を明るくすればというのです。
「そうなるよ」
「そうなんですね」
「あと君の場合は積極的にね」 
 こうも言った先生でした。
「絵を描いたりあちこち観て回ってるね」
「実はそれはいつもで」
「そう、そうすることもね」
「いいことなんですね」
「スランプの時だけじゃなくていつもね」
「そしてそれを続けることもですね」
「いいことだからね」
 このこともお話するのでした。
「だからね」
「これからもですね」
「こちらも続けるといいよ」
「わかりました」
 確かな声で、です。太田さんは先生に答えました。
「それじゃあそうしていきます」
「そういうことでね、やっぱり君のスランプはね」
「天候に影響を受けているんですね」
「このことは間違いないからね」
 お話を聞いても状況を見てもです。
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