第4章:日常と非日常
第115話「兄として・前」
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担当した局員が異様にしつこく聞いてきたので、結構時間がかかった。
とりあえず、誤射による緊急事態だったのを認めてもらい、厳重注意で済んだが。
「うーむ、時間は…きついな」
「買ったものは霊術で無事だけど…夕飯に間に合うかしら?」
「外食で済ませようか。ここから近い場所は…」
近くの飲食店を探し、僕らはそこで食べて帰る事にする。
「三名様ですね、こちらへどうぞ」
案内された席に座り、メニュー表を見る。
適当にメニューを決めて注文し、待ち時間を適当に潰そうとして…。
「……優輝」
「…ああ」
僕の後ろ…隣接した席に座っている人の溜め息に、僕らは気づく。
まず向かい側に座っている椿と葵が、遅れて僕が、その人物が誰か気づく。
「(…今日の狙撃手…)」
この様子だと、相当落ち込んでいるようだ。
…いや、この場合は後悔や罪悪感に苛まれていると言った所か。
「……………」
本来なら、無関係な人間だ。
そんな相手の悩みなど、聞く義理はないし、権利もない。
……だが…。
「………誤射した事、後悔してますか?」
「っ………!」
その、今にも押し潰されそうな姿の彼が、どこか僕と同じ雰囲気だったからなのか。
……僕は、声を掛けていた。
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