第二話「永遠の”のぞみ”と”ひかり”」
車内の異常
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7号車
テツ「サービスコーナーは・・・もうないんだよな。分かっているよ。はあ・・・何やってるんだ俺は・・・。」
チェン「テツユキさん。」
テツ「あ、チェンさん。どうです。車内は?」
チェンはスーツ姿の私服だった。
ドラマ等では、鉄警隊にも私服の刑事がいて、重大事件を捜査する描かれ方をされるが、実際に私服で活動するのは隊本部直属の「特務係」だけだ。チェンは一応特務係所属だが、制服での巡回にも参加する。
そのチェンは少し緊張したような顔で口を開いた。
チェン「・・・怪しげなのが数人。」
テツ「え?」
チェン「8号車に三人、9号車と10号車に二人ずつ。歩き方やしぐさに違和感がありました。それと・・・実は誤って一人に寄りかかってしまったんですが、肌触りが冷たかった。とても人間とは・・・。」
テツ「・・・ブラッチャールドール?」
チェン「まだ、分からないけど、6号車から先も見に行くところです。後ろの車両は門田さんに任せています。」
門田さくら。チェンと同じく(もちろん日本人だが)鉄道警察官だ。
ポリスウィンの部下ではないが、テツユキたちも数回お目にかかっている。
テツ「じゃあ、俺も一緒に・・・あれ、その銃は・・・?」
スーツの内側に、ヒップホルスターに入った拳銃が見えた。
日本の制服警官が採用しているニューナンブやエアウェイトなどではなかった。
チェン「昨日、香港から送られてきたんです。日本の警察拳銃じゃ、心もとないだろうって。」
テツ「・・・SIG.P250DCcモデル。ホルスターはブラックホークのCQC。変わってませんねえ。」
チェン「ふふ・・・日本の警察がこれを正式採用したと騒がれないかが心配ですけど。」
SIG.P250はドイツで開発された自動拳銃だ。銃本体はいくつかの小さなモジュラーパーツに分かれていて、部品の組み換えが簡単にでき、かつ軽量化に成功している。
DCcモデルはコンパクトながら、9mmパラベラム弾を15発を装填可能。
優れた拳銃である一方、政府機関での採用は何故かごくわずかに留まっている。
その数少ない採用先の一つがチェンの所属していた香港警察だ。主に私服刑事が使用している。
チェン「門田さんたちにも急遽ベレッタやUSPが支給されています。車内で銃撃戦は避けたいですが・・・。」
テツ「用心しましょう。」
1号車
ミナ「どこまで行っていたの。」
テツ「悪い悪い。」
テツユキとチェンが見回った結果、2号車に怪しげな人物がもう3人見つかった。
いずれも人に姿を変えたブラッチャールドールの可能性が高い。
それにしても人に化けた人でないものをよくチェンは見破ったな、とテツユキは不思議に思った。
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