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ちびまる子ちゃんH 「さくら家の指宿旅行」の巻
その1
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 ここは静岡県清水市にあるさくら家。学校は夏休みとなり、まる子ことさくらももことまる子の姉、さくらさきこは居間で家族皆にこんなことを訴えていた。

 まる子「ねえねえ、うちもどっか旅行に行こうよ〜」

 お姉ちゃん「そうよ、家でただ宿題やって遊ぶだけなんて勿体ないもの」

 しかし、二人の父、さくらひろしがきっぱりと言う。

 ひろし「何言ってんだ、面倒くせえ!そんなことできるわけねえだろ!第一、旅行には金がかかるんだ!そんなことに使うくらいならビールにでも使う方が得じゃねえかよ!!」

 ?それで得するのはアンタだけである。
 
 しかし、二人は引き下がらない。

 まる子「でもうちのクラス、みんな旅行の話で盛り上がっていたもん!海外へ飛び回る花輪クンはもちろん、たまちゃんは北海道へ行くし、とし子ちゃんは伊勢に行くし、ブー太郎は神戸へ行くんだよ。永沢なんて火事にあってそんな余裕ないと言っときながら親戚のよしみで諏訪湖に行けるとか言ってたし、あの貧乏なはまじでさえ、江ノ島へ連れて行ってもらえるんだよ!」
 
 ?人の家を「貧乏」呼ばわりするのは失礼である。

 お姉ちゃん「うちのクラスだって、よし子さんは秋田の竿燈まつり見に行くっていってたし、小山君は飛騨高山へ、根岸君は京都へ行くのよ!これじゃあどこもいかないのは私だけじゃない!」

 ひろし「なら海水浴でも行きゃええだろ!」

 まる子「何度も行ってんじゃん!それも近くの海水浴場なんて簡単に行けるじゃないのさ!」

 そのとき、まる子の祖父・友蔵が動いた。

 友蔵「なら、まる子、お姉ちゃん、わしが連れて行ってあげよう」

 まる子「本当!?ありがとう、おじいちゃん〜」

 友蔵「この爺にお任せあれ、今月の年金で何処へでも連れてってあげるぞい!」

 そんな友蔵に祖母・さくらこたけが突っ込みを入れた。

 お婆ちゃん「じーさん、無理な約束じゃないのかい?そのために年金使っちゃあ、困ってしまうよ」

 友蔵「う・・・」

 ひろし「おい、母さんからも何か言ってくれ」

 ひろしは自分の妻であり、まる子とお姉ちゃんの母であるさくらすみれに振った。

 お母さん「でもね、私もいつも家の用ばっかりでたまにはそんなこと忘れて旅行に行きたい気分になってきているのよ。お姉ちゃんとまる子の気持ちも分からなくはないわ。それにお父さんいつも釣りに行ったり、飲んできたりといつも自分のことじゃないの!」

 お母さんはひろしを睨みつけた。いや、母のみではない。まる子も、お姉ちゃんも、友蔵も、祖母も彼に悪意を感じるように睨みつけていた。
 ひろしは完全に追い詰められた。これではさすがにダメだなどと言う気にはなれなかった。

 ひろし「う・
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