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転生とらぶる
ペルソナ3
1757話
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ない。
 スライムの手が、女に向かって伸びていくのを見ながら、虚空瞬動を使って一気に女との距離を縮める。
 いっそこのままスライムもどきを倒してもよかったのだが、出来ればこの状況を少しでも多く知る為に生かして捕らえたい。
 勿論こっちに被害が出るのであれば話は別だが、それでも可能な限りはどうにかしたいと思っても当然だろう。
 そんな訳で、現在の俺の状況で出来る最善の行動は襲われている女が被害を受ける前に確保する事だった。
 スライムもどきではあっても、その能力は決して高い訳ではない。
 それこそ、俺の持っているスライムに比べると、その動きは亀のごとき遅さと表現してもいいだろう。……だからこそ、捕らえるという選択肢が存在したのだが。
 ともあれスライムもどきに手を伸ばされ、逃げ回りながらも混乱していた為か追いつかれそうになっていた女は、現在俺の腕の中にいた。
 横抱き……いわゆる、お姫様抱っこの状態だ。

「っ!? ……え? あれ?」

 攻撃されたにも関わらず、衝撃は何もない。その割には浮遊感がある。
 それを疑問に思ったのか、女は俺の腕の中でそっと目を開け……すぐ近くにあるのが、先程のスライムもどきではなく俺の顔だというのを見て、間の抜けた声を上げる。

「無事だな?」
「え? あ、うん。無事は無事だけど……君、誰?」
「そうだな、何て言えばいいのやら。……強いて言えば、迷子か」
「は? 迷子? って、あれ? 何でこのままずっと……ちょっ、飛んでる!?」

 俺との会話の際に何気なく視線を周囲に向けた女は、自分が空を飛んでいるのだというのを理解すると、慌てたように俺に抱きついてくる。
 女を横抱きにしている状況でそのような真似をすれば、当然のように俺の顔を胸元に抱え込む訳で……なかなか大きいな。
 年齢的には恐らく高校生といったところだが、平均以上はありそうだ。
 そんな風に考えつつ、口を開く。

「サービスシーンは嬉しいが、出来れば今はあのスライムもどきをどうにかしたいんだけどな」
「……え? きゃっ!」

 自分が俺に抱きつく……正確には俺の顔を胸元に抱え込んでいたのに気がついたのか、今度は慌てて俺から離れようとする。
 そんな女の様子に呆れつつ、俺は口を開く。

「ほら、あまり暴れるな。今ここで暴れて下に落ちたら怪我じゃすまないぞ」

 現在の俺の高度は、10m程度とそこまで高い位置にいる訳ではない。
 だがそれでも、普通の人間にとっては、これだけの高度を飛ぶといった経験をする事は滅多にないだろう。
 ……ちょっと高い建物であれば、高度10m程度は普通にあるのだろうが。

「ちょっと、一体何でこんな真似……君、何者?」
「さて、何者なんだろうな。まぁ、今はさっきも言った通り、
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