ペルソナ3
1757話
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ああぁぁぁっ!」
切羽詰まっているその声は、まさしく命の危機にでも陥っているか……もしくは、何らかの変態にでも襲われたかのような、そんな声。
まぁ、この棺桶だらけになってる状況で変態に襲われるなんて事はまずないだろうし、その辺は気にしなくてもいいんだろうけど。
にしても……
「邪魔だな」
目の前にある棺桶を避けながら、思わず呟く。
この棺桶が人の変化したものなのであれば、当然のようにこの棺桶の多さは人の数の多さを表しているのだろう。
何だかんだと走ってきたところ、現在俺がいるのは繁華街のような場所だ。
いや、そこまで賑やかって訳ではないか?
ともあれ、夜中にも関わらずそれなりに人の姿の多い場所。
それが余計に、こちらの移動の邪魔になっていた。
棺桶と棺桶の隙間を縫うように移動するのだが、これがまた面倒きわまりない。
「ちっ」
まさかこのまま棺桶を突っ切って移動した場合、下手をすればこの棺桶になっている者達が元に戻った時、怪我をしたり……といったところではなく、それこそ命に関わる怪我をしないとは限らない。
しょうがない。向こうから聞こえてきた声の主がどんなピンチになってるのかはわからないが、こちらとしても折角の手掛かりを見捨てる訳にもいかない。
その場で跳躍し、そのまま空を飛んで移動する。
最初からこうしていればよかったような気がするが……まぁ、何が起きているのかわからないんだし、しょうがないって事にしておこう。
そうして声の聞こえてきた方に向かって進み……やがて曲がり角を曲がった瞬間、俺の目に入ってきたのは……何と表現するべきか。
仮面をかぶったスライム。
恐らくこれが一番正確な表現だろう。
ただし、この場合のスライムは可愛い系のスライムではなく、アメーバ系のスライム。
……そういう意味だと、俺のスライムと似たようなものなのか?
そう思いもするが、スライムでありながら色は黒。
ましてやその体から手のように見えるものが生えているのを考えると、やはり正確にはスライムという訳でもないのだろう。
ともあれ、そのスライムもどきとでも呼ぶ相手から逃げようとしているのは、今の俺と同じくらいか、若干年上といった感じの年齢の女だった。
この場合は少女と呼ぶべきなのか?
ともあれ、その女はスライムもどきの攻撃から必死になって逃げていた。
だが……結局は逃げているだけだ。
つまり、このような異常事態に取り込まれてはいるものの、実際の戦闘能力という点では普通の人間と大差ない。
これは……外れか?
そんな風に思うも、目の前にいる女が唯一の手掛かりであるというのは、どうしようもない事実だ。
そうである以上、こちらとしてもここで手を出さない訳にはいか
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