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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
意外な攻略法
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している。

「やった!!シリル!!」

それを見て真っ先に彼に駆け付けたのは、国王たちを守るためにこの部屋から撤退したはずの恋人。

「あれ!?ウェンディいたの!?」

逃がしたはずの人物が真っ先に抱き付いてきたことにシリルは動揺していたが、飛び込んでくる彼女をギュッと抱き締める辺りが彼の優しさなのかもしれない。そんな二人の様子を、シェリアや部屋に戻ってきた国王とヒスイ姫が嬉しそうに見つめている。

「一つ・・・教えてくれ・・・」

戦いが終わり、これから残りの暗殺部隊たちを拘束しなければと思っていたところ、目の前にいるそのグループのリーダーが、顔だけを上げて目の前の人物たちを見上げる。

「なぜ・・・君の動きが読め・・・」

そこまで言ったあと、青年はシリルの足元を見つめたまま固まり、その直後、顔を伏せて失笑し始める。その意味がわからないウェンディたちは、そんな彼の姿を目を白黒させ見下ろしている。

「まさかそんな方法があったとは・・・意外すぎて思い付かなかった」

何を言っているのかわからずウェンディやシェリアたちは顔を見合わせた後、彼が見つめていたシリルの足に目をやる。すると、全員がその意味に気が付いた。

「あ!!シリル左右の靴違う!!」

今日一日中一緒にいたはずなのに、全然気が付かなかった。それは、シリルの靴が、右と左で違うものになっているのである。

「それ・・・レオンの靴だよね?」
「うん。貸してくれたんだ」

リオンから対策を考えておいてくれと言われていたシリルは、ホッパーの強さの理由がわからず、その当時意識を取り戻していなかったレオンに助けを求めていた。そして、その声が届いたのか、意識を取り戻した少年から、敵の力の正体を聞き、今回の対処法を思い付いた。レオンが作戦から外れていたこともあり、彼と自分の靴のサイズが違うから、微妙にバランスを崩すことができ、相手の読みを鈍らせることが可能だったのだ。

「面白い発想だ・・・素直に負けを認めよう」
「そうしてもらえるとありがたいです」

倒れて動けない敵の手首に魔封石を使用した手錠を填めると、無理矢理立たせて牢屋へと連れていこうとする。
目と鼻の先にまで来ていたはずの目標が阻まれ、さぞ悔しいだろうと思われた。しかし、なぜか青年は、小さく笑みを浮かべていた。

(このプランは失敗したが、まぁいい。目的は十分に果たせただろう)

誰にも気付かれないように笑みを見せた後、ガッカリしたように項垂れつつシリルたちに連れていかれるホッパー。だが、彼の真の狙いは、まだ終わっていなかった。




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