意外な攻略法
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だ。
(いけるうちに行く!!)
時間的にわずかしか持たないと彼はわかっていた。そのため間髪開けずにシリルへと向かっていく。
「シリル!!」
隠れてこの場から撤退しなければならなかったはずなのに、思わず扉を開き叫んでしまった天空の巫女。だが、彼女の心配は無用の産物だった。
ドゴォンッ
ホッパーの一撃によって爆発が周囲を襲う。あまりにも重たい一撃に最悪の事態が脳裏を過っていた天空の少女たちだったが、煙が晴れて現れた少女の姿に、驚愕と嬉しさを見せた。
「そっちも奥の手があったんだ。まぁ、当然こっちにもあるけどね」
ホッパーの渾身の一撃を受け止めた少年の髪の色が、見守っていた少女と同じような藍色に変化していた。そして、顔に浮かんでいる無数の鱗。
「やっぱり俺は、本番に強いのかも」
以前ウェンディに見せつけられた、自分の意志でのドラゴンフォースの解放。それを彼もやりたくて、必死に修行をしていたのだが、なかなかものにできずにいた。しかし、今やっと・・・この土壇場の場面でその力を手にすることができた。
「くっ・・・ゴホッ」
敵の予想外の成長に表情を歪ませ、さらには肉体にかかる負担に蝕まれてどんどん苦しくなってくるホッパー。しかし、彼は目的のために、ここで引くわけにはいかなかった。
「水竜の・・・翼撃!!」
ドラゴンフォースを自らの意志で開いた水竜が、両手にドラゴンのような翼を作り出し、ホッパーを攻める。例によって回避しようとしたホッパーだったが、またしても動きを読みきれず攻撃を受けてしまう。
「ハァッ!!」
受けた攻撃に怯むことなく、シリルの体勢や力の入り具合から、逃げることができないと思われる場所に拳を叩き込む。
スカッ
だがその攻撃は無情にも空を切る。そしてそれをあっさりと回避した少女から、さらなる追撃を受けた。
(なぜだ!?なぜ動きが読めない!?)
避けられるはずの攻撃が当たったり、当たるはずの攻撃が交わされたりと、予期せぬ事態に頭が困惑し、動きがどんどん悪くなっていく。
「滅竜奥義!!」
目的を果たすまであと少しだったはずなのに、まるでそれが夢だったかのように、手の届かないところにあったかのような錯覚に陥ってしまう。
「水中海嵐舞!!」
右腕で渦を巻くドラゴンの水が、すでに限界を迎えつつあった青年の土手腹を捉える。ドラゴンを滅するために生み出されたその技を受けたホッパーは、その場に膝をつき、地に伏した。
「し・・・信じられない・・・こんなことが・・・」
力を使い果たしたからか、先程までの変化した目が元通りの状態へと戻ったホッパーは、まだ理解が追い付いていないらしく、ただ呆然と地面に突っ伏
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