ホープレス・チャント-Love your enemies-
開演
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リズは、だんだんと縮こまっていくレインを見て、先の噴き出したお冷やの意趣返しとしてかニヤニヤと笑っていた。
「ショ、ショウキくんはどうなのかな!」
「ショウキは何にでもなれるわよねー」
「……どういうこと?」
泥船をよこした代償に矛先を変えてきたレインの問いに、リズが皮肉を込めた言葉を返してきた。その奥歯に物が挟まったかのような物言いに、レインがリズに問い返すものの、リズは面白そうに笑うのみで答えようとはしない。というよりは、聞くならば本人に聞け、といったような様子で、レインとルクスの視線がこちらに向けられた。
「あー……その、最近、資格の取得が面白くて」
「よく分からない資格マスターよねぇ、すっかり」
……きっかけは、リズの役にたてるかと学んでいた会計士などの資格だったが、いつしか他の店商売には使えない資格にも手を出していて。もはや資格取得が趣味になってしまっていて、一体自分が何をしたいのか分からない経歴になってしまっていた。取得した資格が全て役にたつかと問われれば、専門的なことも多いのでその分野以外では役にたたないと言ってよく、リズの『何にでもなれる』とはそんな状態を皮肉っているのだろう。
「箸を綺麗に持てる資格、とか取ってきた時は何かと思ったわよ」
「え? お箸……ですか?」
「へ、へぇ……」
「……わりと難しかったんだぞ」
何の役にたつのか、と問われれば、困ったように髪を掻かざるを得ないが。半ば以上に自己満足なことが趣味になってしまって、我ながら面倒くさいことをしているな、と思っているのも確かだが。
「っと、そろそろ仕事に戻らないと怒られちゃうかな」
「あ、呼び止めて悪かったわね」
「ううん。《オーグマー》のミニゲーム、ぜひプレイしてね、ご主人様〜」
以前は《オーグマー》に関する仕事をしていたからか、ちゃんと宣伝を挟みつつもレインは手を振って仕事に戻っていく。お冷やから頼んだコーヒーに口をつける飲み物を変えながらも、三者三様に《オーグマー》の準備をしていて。
「……ま、せっかくだからプレイさせてもらいましょうか」
「はい!」
学校の授業でも使う……というより、すっかり携帯端末と同様の扱いになったために、《オーグマー》を持っていないということもなく。机の上に置いてある、《オーグマ》による特別ゲームのクリアボーナスとなっているケーキをチラチラと見ながら、リズは意気揚々と《オーグマー》を装着する。せっかくだから、などと言いつつウキウキとしている彼女を微笑ましく見ながら、俺にルクスもリズに倣って。
「さて! どんなもんかしら?」
「これは……」
机の上には俺たちをデフォルメした三人のチビキャラクターが立っていて、《
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