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黄金バット 第十五話 フー=マンチュー博士のUFO
第五章
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「今回は勝利を譲る、しかし次はこうはいかないぞ」
「?待て、何処に行くつもりだ」
「逃げるつもりか」
「敗者は去るものだ」 
 博士は今も自分に銃を向けている自衛官の人達に言いました。
「諸君等に捕まる私ではない!」
「くっ、捕まえろ!」
「いや、撃て!」
 誰もがトリガーに指をかけようとしたその時にです。
 博士は煙の様に消えてしまいました、誰もがそれを見て歯噛みしました。
「くっ、逃げられたか」
「またしても」
「怪人は本当に逃げ足が早いな」
「逃げ足もな」
「伊達に怪人じゃないということか」
「博士もな」
「怪人ということか」
 博士に逃げられたことが残念で仕方ありませんでした、世を乱す怪人の一人を捕まえるか成敗することが出来ず。
 ですがそれでもです、皆はこうも思うのでした。
「けれどだ」
「何とか助かった」
「雷は函館に落ちなかった」
「いや、大惨事にならなかった」
「皆助かった」
「本当によかった」
「何よりだ」
 このことは素直に喜ぶのでした。
「黄金バットのお陰だ」
「黄金バットに助けられた」
「本当にな」
「何よりだ」
 このことはというのです。
「いや、本当にだ」
「黄金バットにはいつも助けられてばかりだな」
「有り難う黄金バット」
「今回も助けてくれて」
 皆黄金バットに顔を向けて声援を送ります、ですが。
 黄金バットは皆に何も言わずその手に落ちてきた杖、雷を打ち消したそれを取ってです。そのうえで。
 夜の空に飛び上がって姿を消しました、何も言わず。
 その報告を聞いてです、議長さんは胸を撫で下ろして言うのでした。
「今回もどうなるかと思ったが」
「はい、黄金バットにですね」
「助けてもらいましたね」
「そうなりましたね」
「我々で何とかしたかったが」
 問題を解決したかったというのです。
「どうしてもな、しかしだ」
「はい、函館が救われた」
「そのことは事実ですから」
「よかったですね」
「そのことは」
「全くだ、人も街も助かった」
 このことはというのです。
「最もよかった、黄金バットに感謝しよう」
「そうですね、本当に」
「そのことは何よりです」
「無事に問題が解決して」
「よかったです」
「黄金バットに感謝する」
 議長さんはあらためて言いました。
「私からもね」
「自衛隊としてもですね」
「本当に」
「このことを黄金バットにも言おう」
 何時何処にいるかわかりませんがそれでもでした。
 議長さんは自衛隊を代表して黄金バットに今回のことを心から感謝するとの言葉を発表しました、今回も皆を助けてくれた黄金バットに。彼から何の返事がなくとも。


第十五話   完


             
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