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黄金バット 第十五話 フー=マンチュー博士のUFO
第三章

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「相手が相手だ」
「攻撃もですね」
「止むを得ないですね」
「攻撃を許可する」
 議長さんははっきりと言いました。
「わかったな」
「了解です」 
 現場の最高責任者である一等陸佐の人が答えました、見れば三つの自衛隊の人達が司令部に集まっています。
「その様に」
「責任は私が取る」
 議長さんは強い声でこうも言いました。
「だからだ」
「容赦なくですか」
「非常時においては」
「攻撃もですね」
「するのだ」
 議長さんも博士がどれだけ危険な相手かわかっています、それでこうした命令を出したのです。そしてです。
 自衛隊の人達は函館の繁華街に出没した博士をすぐに完全に包囲しました、そのうえでそこにいる全員で銃を突きつけつつ言うのでした。
「博士、投降しろ」
「既に包囲されているぞ」
「大人しくしろ」
「若し少しでも抵抗すれば攻撃する」
 こう口々に言います、ですが。
 博士は自衛官の人達にです、不遜な態度で言うのでした。
「安心しろ、私は今はだ」
「今は?」
「今はというと」
「諸君等に攻撃しない、私自身はな」 
 こう言うのでした。
「今回はだ」
「博士自身はというと」
「まさか」
「あのUFOは」
「やはり」
「そうだ、私が造ったものだ」
 博士は今そのことを明らかにしました。
「正確に言うとあれはUFOではない」
「何っ、UFOじゃない!?」
「違うのか!?」
「UFOじゃないというと」
「では何なのだ?」
「あれは」
「UFOはナゾー博士の分野、私はナゾー博士とはまた違う」
 こう言うのでした。
「あれは私の妖術で生み出した全てを破壊する雷を集めたものだ」
「まさかその雷を」
「この函館に落とすのか?」
「そうしてくるのか?」
「その通りだ、これまでは諸君があの雷の塊を観て驚くのを楽しんでいたが」
 にこりともせず言うのでした。
「それもここまでだ」
「くっ、今からその雷を落とすつもりか」
「あんな大きな雷を落とされると大変だぞ」
「一体どうなる」
「この函館は滅茶苦茶になるぞ」
「その通りだ、雷の球は直径二キロだ」
 それだけの大きさだというのです。
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