479部分:第三十八話 袁術、劉備達と会うのことその十一
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第三十八話 袁術、劉備達と会うのことその十一
「ここはね」
「そういうことになります」
「私としては賊の方が気が楽だけれど」
「私もです。できれば」
こんな話をしながらだった。その南部に向かった。そしてだった。
化け物が出て来るその廃寺に来た。既に夜になっていた。
「暗いな」
「そうなのだ」
まずは関羽と張飛が言った。
「ううむ、この寺は」
「ボロっちいにも程があるのだ」
見ればだ。暗闇の中でシルエットになっているがそれはだ。屋根も柱も壁もだ。見事なまでに朽ち果ててしまっているのがわかるものだった。
その廃寺を見てだ。二人はまた言った。
「ここはな」
「そうなのだ」
「行くか」
「それしかないのだ」
「そうよね」
二人に劉備が話してきた。
「何があってもね」
「剣を取り戻す為ですか?」
「それで」
孔明と鳳統がこう劉備に問うた。
「ですから絶対に」
「ここは」
「ううん、それもあるけれど」
しかしだった。劉備はここで言うのだった、
「やっぱり。お化けだから」
「はい」
「それで、ですか」
「放っておいたら他の人とか襲いそうだし」
劉備は化け物をそうしたものだと考えていた。そのうえでの言葉だった。
「だから。退治しておかないとね」
「ううん、劉備殿って凄いですよね」
「そうよね」
二人は劉備その言葉を聞いて感心して言った。
「そうしたことをちゃんと考えておられて」
「御自身のことよりも」
「だって誰かの為に何かしないと」
また言う劉備だった。
「駄目じゃない」
「そう考えられる人って中々いませんから」
「はい、本当に」
「自分のことしか考えない人って」
「確かにいます」
孔明と鳳統はそうした人間のことを話すのだった。
「そうした人と比べて劉備さんは」
「本当に素晴しい人です」
「そうかしら」
自分ではその自覚はあまりないのがまさに劉備だった。そうしてだった。彼女はあらためて一同に対して言うのであった。
「それじゃあここは」
「はい、行きましょう」
「お化け退治です」
孔明と鳳統が言ってだった。一行は寺の中に入った。寺の中はしんと静まり返っていた。暗闇の中に廃墟だけがあった。
その中を通りながらだ。馬超が言った。馬岱もである。
「本当に何か出そうな場所だな」
「そうだね。お化けがね」
「出るよな、これは」
「うん、私もそう思う」
「そう、例えば後ろから」
趙雲も思わせぶりに囁く。
「うらめしや〜〜〜、とな」
「ま、まさかな」
「そんなことはないのだ」
関羽と張飛はそれを必死に否定しようとする。
「と、とにかくだ」
「何時出て来てもいいようにするのだ」
「ええ、それはね」
黄忠のその手
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