第十二話 港においてその十四
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「ちゃんとあるからな」
「そういえば驢馬も馬もあって」
「ああ、こいつ等もいてな」
驢馬のパンシャを指差して言うのだった。
「ジャングル大帝の親父の名前だぜ、この驢馬」
「あの漫画の」
「いい名前だろ」
「何故ライオンの名前なのか」
「ああ、俺阪神ファンでな」
久志は笑って彼等の世界の話も入れた。
「ネコ科の名前にしたくてな」
「ああ、そういえば」
ここで順一もわかった。
「西武ライオンズのマークでしたね」
「昔の西武の帽子に入ってただろ」
そのパンシャがというのだ。
「レオ軍団のな」
「水色の帽子に」
「その名前を咄嗟に思いついてな」
「驢馬の名前にしたんだよ」
「そうでしたか」
「いい奴だぜ、ものを運んでくれてな」
「馬と共に欠かせないですか」
「こいつがいてくれたらな」
パンシャを笑顔で見つつ順一に話していった。
「百人力だぜ」
「荷物を運んでくれるので」
「そうさ、この世界での旅の間な」
「ずっとですね」
「ああ、力になってくれてるぜ」
それこそというのだ。
「それで馬にも乗ってな」
「馬もですね」
「役に立ってるぜ」
こちらもというのだ。
「この連中を養うだけの金があってな」
「まだ余裕がありますか」
「ああ、相当な大飯喰らいが五十人いてもな」
それでもというのだ。
「当分平気なだけはあるぜ」
「巨人を倒されたと聞きましたが」
「それで金手に入れたんだよ」
それだけ多くの額のものをというのだ。
「だから安心しなよ」
「お金のことは」
「またこれからもモンスター出るだろうしな」
「そして倒して」
「金を手に入れるからな」
「そうですか、それはいいですね」
「金に困らないことはな」
笑って順一に応えた。
「いいことだよな」
「それだけで。ただ」
「ただ?」
「十三人分では済まなくなります」
そこからのことをだ、順一は久志に話した。
「さらに必要になります」
「ああ、国とか経営していったらな」
「冒険のレベルではありません」
「それだけの金が必要になるな」
「お金の使い方も違いますし」
冒険に対するそれと国家経営のそれはというのだ。
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