暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
最終章
2節―反逆決戦―
真実と違和感
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の」
「“義務”……“権利”じゃなくてか」

 素直にソウヤは驚く。
 もっと神様というのは、フリーな存在だと思っていたのだが違っていたらしい。

 ソウヤの言葉にヴェルザンディは頷くと、「そうね……」とディスプレイを出現させ画面にピラミッドと逆ピラミッドを作って見せた。

「ピラミッドは神を頂点とした生物の階級を表して、逆ピラミッドは生命の“義務”の重さを表すわ」
「……なるほど、会社と同じ感じか」

 下の階級の生命、会社で言う所の平社員ほど権力は少ない代わりに自由な時間を多く保てるし、ミスしたところで責任はちょっとしたもの。
 けれど上の階級の生命である神様、会社で言う社長に近くなれば近くなるほど、自由は奪われ少しのミスで会社が潰れかねない。
 そんな関係が神様の中で出来上がっている。

 ただ、そんな説明をされたところでソウヤが必要と何が関係するのかが、ソウヤには分からなかった。

「つまり、“義務”が重いということは“自由”が効かない。そして何より定められた階級に収まるしかない」
「――――」

 神様という、かなり高い階級に位置するが故に反逆することが敵わない。
 そういうことなのだろうか。
 あぁ、ならば自分が必要と言われた理由がわかる、とソウヤはここまで説明されようやく理解した。

「簡単に言えば、神様は階級絶対主義で上の者には逆らえない。だからその枠に当て嵌まらない、かつ神様を殺せる力を持つ俺が必要……と?」
「えぇ、纏めるとそういうことよ」

 確かに神の階級なんて知らないソウヤは、上の階級の存在に対抗できない神様にとって必要不可欠だろう。
 丁重に扱い、上手に操れれば自分が邪魔とする神様をも殺せる可能性があるのだから。

 とはいってもそれはソウヤであるからこそ出来る芸当だろう。
 まず普通の人は“鎖”が邪魔でここまで強くなることは在り得ないし、唯一“鎖”に繋がれていない人間は逆にここまで強くなる術がない。
 全く良く出来たシステムだ、とソウヤは笑う。

「ヴェルザンディにとって俺の存在は貴重ってことか」
「えぇ、癪だけどそうよ。3つ在った希少能力(ユニークスキル)を全て開始時につけるようにした甲斐があったわ」

 ヴェルザンディの言葉に、ソウヤは「やっぱりか」と溜め息をついた。

 どうにもおかしいと思ったのである。
 ユニークスキルが1つ付いただけでも十分凄いのに、ソウヤに限っては同時に3つ。
 しかも、ヴェルザンディの言葉から察するに用意されていたユニークスキルは、ソウヤが全て持って行ったらしい。

 となれば都合良く、あるいは都合悪く起きた出来事は全てヴェルザンディの仕業だということで決定だろう。

「……お前、一生呪うからな」
「構わ
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