最終章
2節―反逆決戦―
その力を持ってイチをなす
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使い方も出来る。
「任された。『偽・全て飲み込む雷神の一撃』!!」
「あ、やべぇ」
ルビの『神技』によって超強化された魔力で、エレンは本来の威力さえ超えて“神の力”にまで達している『神技』を放つ。
『神技』に『神技』を重ねて放たせ“神の偽力”を“神の力”にまで至らせることが、本来の使い方なのだ。
―あっぶねぇ、最初に聞かされてなかったら俺も死んでたぜ。
ナミルはラファエルを飲み込まんと驚異的な速度で突き進む雷を見ながら、自身があの技の標的にならないことに安堵する。
ラファエルがルビとエレンに注目した瞬間、すぐその場から離脱したからこそあの技を食らわない。
それほどまでに、強化されたエレンの『神技』の範囲は圧倒的なものだった。
だが、それでは終わらないことをナミルは知っている。
「は、ははは……ふざけてんじゃねぇぞ。さっきのでどれだけ“死んだ”?」
攻撃の後、直撃したはずのラファエルは“無傷”でそこに立っていた。
けれどラファエルの表情は怒りと苦渋に満ち満ちている。
その表情を見て、ナミルたちは確信した。
ラファエルは不死身ではなく“命のストックがあるだけ”なのだと。
「エミア――!」
確信を得たナミルはエミアを大声で呼ぶ。
これは合図だ。
今、最高火力を持ってラファエルをぶちのめせと言う合図。
自身を呼ぶ声が聞こえたエミアは、弓を構える。
矢を番えるはずの手には何も握られてはいなかった。
「『我は木々、我は王者」
詠唱することで魔力により木で出来た矢が創造され、打てる状態へと変化する。
けれど、今から行うのは絨毯攻撃ではない――
「我が放つは全てを射り別つ木々の一撃』」
――ただ、1人を倒す一撃だ。
「『偽・全て射り別つ一撃』」
放たれる矢。
それは黙々と「“癒せ”、ラファエル」と呟きつづけるラファエルに突き刺さった。
「あ……?こんなもんで俺が殺せるとでも――」
確かに熾天使相手ではただの矢では、しかもただの木の矢では倒されることは無いだろう。
だが、彼は侮りすぎた。
「――“別れなさい”」
「がッ……!」
穿たれた木の矢は、エミアの言葉で“増殖する”。
絨毯攻撃も、放った直後からエミアが別れろと呟きつづけた結果出来た矢の嵐だったのだ。
だから、矢が刺さった後に言っても効果がある。
「“別れなさい”“別れなさい”“別れなさい”“別れなさい”“別れなさい”――」
1つ呟くことに、矢の量は倍になる。
2倍になり4倍になり8倍になり、16倍になり32倍に
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