最終章
2節―反逆決戦―
反逆決戦、開幕の準備
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表情で「ですが」と言葉を続ける。
「きっと、『勇者』様の力だけでは足りないのです」
「……私もそう思います」
魔王の力は熾天使と同程度かそれ以下であり、それが意味するところは未だ『勇者』が不利、ということだ。
今はまだ凌ぎきれるかもしれないが、いつかは限界が来ることは予想出来る。
「7枚の花と“癒し”の言葉……その対策を考えなければならないのです」
ガブリエルの力、『全て護り防ぐ七輪の百合』。
1枚1枚が使用者へのあらゆる攻撃を防ぐ百合の花だ。
それが7枚……となると、普通に考えて攻略は不可能だろう。
―ですが、何か制約があるはずでしょう。
ルリの頭に浮かぶのは、朦朧とした意識の中に見えたあのガブリエルの表情。
ガブリエルは確かにあの時、欠けなかった障壁に“安堵”した。
壊れてもデメリットが無いのなら普通あんな表情をしない。
ならばきっと攻略法はそこに存在する。
「――ラファエルに関しては俺に任しときな」
「ナミルさん!気が付いたのです!?」
黙考する2人に笑いかけるのは、“無傷で”消耗したように笑うナミル。
火傷による半永久的な焼ける痛みと、それを“救われる”無限ループに陥っていたナミルは、ルリと同じように気を失っていたのだ。
心配して駆け寄るエミアを気にせず、ナミルは「多分」と言葉を続ける。
「アイツには“命のストック”がある、そうでもなきゃ辻褄が合わない」
「命のストック……?」
ラファエルは初め、エミアによる縦断攻撃を食らって確実に死んだはずだった。
けれどラファエルは生きており、その後「“癒せ”、ラファエル」と口にする。
もしその時発した言葉が彼自身を癒す言葉なら、死んだ後に甦るのは順序が間違っているのだ。
なら、それがストックの補充と考えれば辻褄が合う。
ラファエルには幾つかの命のストックがあり、死ぬたびにそれを消費していくとする。
死後“癒された”ラファエルは言葉を紡ぐことでストックを回復した。
「アイツが本当に命のストックを持っているなら、幾らでも対処法はある」
ただ精神が摩耗していただけのナミルは、すぐに体を起こすと体操を行いながらそう言う。
問答無用に相手に直接ダメージを行うラファエル相手には、確かに現状相手取れるのはナミルだけだ。
「あの様子だと、俺がまた自傷すれば幾らでも付き合ってくれそうだしな」
「……分かりました」
ですが、とエミアは言葉を続けナミルに人差し指を突きつける。
「一瞬だけです、それで片を付けるのです」
「策はあるのか?」
「それを今から考えるのです」
なんだそりゃ、とナミルは肩を竦め
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