最終章
2節―反逆決戦―
反逆決戦、開幕の準備
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勇者』にあります」
文句を垂れながらラファエルは杖を、それを正しながらガブリエルは盾を出現させる。
明らかに王剣レベルの武器に、勇向は眉を潜めた。
―……あれが、ラファエルとガブリエルの力の正体、という訳か。
ガブリエルの障壁の根源である盾。
ラファエルの癒しの根源である杖。
どちらも自らが持つ聖剣より格上の武器であり、持つ所有者の身体能力はほぼ互角である。
―つまり、結局僕が不利……ということ。
けど、と勇向は笑う。
目指した背中は、憧れた背中はそんなことで挫けはしなかったはずだから。
武器が敵よりも弱い?
身体能力がほぼ互角?
そんなの関係ない。
結局、技術で勝てば良いだけだ。
「行くぞ、熾天使」
「あぁ来いよ、面倒だが相手してやる」
「相手が有利でも、それを覆した余りあるのが熾天使の役目ですので」
本来相容れることがないはずの、『勇者』と『熾天使』との戦いが……今幕を開ける。
「うぅ……」
「目が覚めましたか、ルリさん?」
障壁による打撃で負傷していたルリは、体中が治っていく感覚を覚えながら目を覚ます。
目の前にはエミアがおり、どうやら自身は意識をいつの間にか失っていたらしいと悟った。
―確か、『勇者』の人が助けに来てくれて……。
今、その『勇者』が戦っているとまで行き着き慌ててルリは体を起こそうとする。
「ぐッ!」
「勝手に動いちゃ駄目なのですよ」
体中に走る痛みに体を硬直させたルリは、そのままエミアにもう一度床に倒された。
まともに動けないことを悔やみつつ、自身を助けに来てくれた『勇者』の安否を願う。
―『勇者』様は、多少疲労していたとはいえ大天使と相討ちするレベルの力しかなかったはず。熾天使を相手取ることなんて……!
これ以上、誰1人として死なせたくない。
だからこそ誰にも告げず、ソウヤと自分たちだけで来たはずなのに、今『勇者』に死なれてしまっては意味がなくなる。
苦痛と後悔に表情を歪ませるルリに、エミアは微笑んだ。
「大丈夫なのです、『勇者』様は熾天使と対等に渡り合っているのですよ」
「ぇ?」
どうやって熾天使と渡り合っているのか、それがルリには理解できなかったが、すぐにルリは思い出す。
『勇者』が『勇者』足り得る力の存在に。
―使ったのですね、対魔王用の1度のみ使用を許されたあの力を。
魔王と1対1で戦うことを想定した、最後の壁。
それ故に魔王と同程度かそれ以上の力を一時的に得ることが出来る力を使えば、熾天使と渡り合うことも不可能ではないだろう。
最悪の状況でないことにルリは安堵するが、エミアは真剣な
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