最終章
1節―超常決戦―
森羅万象と百合の花
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」
だからルリは彼を支えたい。
だからルリは彼を護りたい。
だからルリは彼を助けたい。
――だからルリはソウヤを越えたい。
「行きます」
「――――ッ!」
自身の足元の地面を勢いよく盛り上げ、その衝撃を利用し加速までに必要な時間を一気に短縮する。
今までにないスピードでガブリエルに近づいたルリは、そのまま両手の短剣を振るう。
だが、それは創り出された障壁に阻まれた。
硬い障壁にそのまま力を込め、自身の体を浮かせるとルリはガブリエルの上空を取る。
誰も“体を着けなければ力を使えない”とは言っていない。
視線が上に向いた瞬間、『森羅万象』を起動し地面から攻撃。
――防がれる。
地面から射出された短剣を空中で握りしめ、そのままガブリエルに向けて投射。
――防がれる。
落ちる速度を利用して、もう一度創り上げた短剣でガブリエルに斬撃を放った。
――防がれる。
その瞬間、予め詠唱二節目まで準備しておいた『神技』を発動、必殺の一振りを放つ。
――防がれ、障壁が剥がれた。
「――ここ!!」
脚を踏み付け、鋼鉄の棘を創造し剥がれた障壁の間を縫ってガブリエルに攻撃――!
「惜しかったですね」
「――――」
――が、防がれる。
“2枚目”の障壁を起動したガブリエルは、したり顔でルリに笑う。
けれど、それでは終わらない……“終われない”。
ガブリエルの後ろの地面から、もう1つの鋼鉄の棘が出現し今度こそ彼女の体を貫き――
「それを含めて言ったのです、“惜しかったですね”と」
「――――」
――防がれる。
“3枚目”の障壁を創り出したガブリエルは、慈愛の笑みでルリを讃えた。
「えぇ、えぇたかが妖精の力で、良くここまで私を追い詰めました」
呆然とするルリの体に急に襲い掛かる衝撃。
“4枚目”の障壁でルリを吹き飛ばしたのだ。
―手加減、されていた……?
ウィレスクラがソウヤに倒されるかもしれないという、この状況で。
“時間を引き延ばされる”という行為自体がタブーな、この状況で。
――この熾天使は手加減していたというのか。
「すみません、私には“7枚の百合の花”があるのです」
“7枚”。
ルリの『神技』を使用して、壊せるのはそのうちの“1枚”のみ。
壊したとしても、ガブリエルを護り続ける“6枚の花”を越えることは出来ないのだ。
「私の力の真名、それは“全て護り防ぐ七輪の百合”」
―……私、は。私は……!
自身の無能さに、自身の無謀さに悔むルリにガブリエルは“慈しむ”。
「心配なさ
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