475部分:第三十八話 袁術、劉備達と会うのことその七
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第三十八話 袁術、劉備達と会うのことその七
「ですから曹操さんと袁紹さんがです」
「ああ、御二人が」
「成程」
ここで皆わかった。こちらの世界の面々はだ。
「やっぱりね。嫌うわよね」
「当然ながら」
「それで御二人は司馬慰殿を警戒しておられます」
「まあ当然じゃな」
袁術も話をここまで聞いて述べた。
「麗羽姉様と華琳殿ではのう」
「御二人共劣等感の強い方ですから」
「所詮わらわと違うわ」
袁術はこうも言った。
「わらわの様に袁家の嫡流ではないからのう」
「そうですよね。けれど」
「けれど?」
「その司馬慰殿美羽様の為にもならないかと」
張勲はこのことも言うのだった。
「そうした方が大将軍の傍におられると」
「ううむ、そうかものう」
袁術も張勲の言葉に考える顔になった。
「わらわの夢は相国になることじゃ」
「はい」
「三公より上になるぞ」
「ではその為には」
「司馬慰は敵になるのう」
「そうですね。それは」
紀霊は袁術のその言葉に頷いた。そうしてだった。
「では我等の方針は」
「基本はここを治めるのじゃ」
袁術も政を忘れてはいなかった。
「そしてそのうえで姉様や華琳殿と協力するぞ」
「そして司馬慰殿に対しますね」
「あと宦官は主だった奴は全員処罰じゃ」
このことも忘れていなかった。
「十常侍は全員処刑じゃ」
「はい、ではその時が来れば」
「その様に」
「南部は」
ふとだった。揚奉が言ってきた。
「どうされますか?」
「あれはとりあえずじゃ」
袁術は彼女の言葉にもすぐに答えた。
「劉備殿達に化け物を退治してもらってからじゃ」
「それからですか」
「お化けはどうにもならんのじゃ」
怖がる顔であった。
「だからじゃ。仕方ない」
「ううむ、そうですか」
楽就はそれを聞いて複雑な顔になった。
「それでは」
「そういうことじゃ。さて」
ここまで話してだった。袁術はあらためて一同に話した。
「劉備殿と会おうか」
「はい、それでは」
張勲が笑顔で応えてだった。そうしてだった。
袁術は張勲と紀霊を連れて謁見の間に入ってだ。主の座に着いてそこで劉備達と会うのだった。張勲を右、紀霊を左にそれぞれ置いてだ。そのうえで劉備一行を出迎えた。
程なくしてその劉備達が来た。まずは袁術の前に控える。
その袁術はだ。すぐに劉備に言ってきた。
「苦しゅうない、立つがいい」
「はい」
「それでは」
程なくしてだ。劉備達を立たせてだ。そのうえで話を聞くのだった。
「まずはですね」
「まずは。何じゃ?」
「これを」
劉備はあるものを出してきた。それはだった。
手紙だった。袁術はその差出人を見てまず顔を曇らせた。
「むむっ、
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