第3話 新時代前の前日
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―レオを盗み見る。
「・・・・・・・・・」
リザに説教した時にレオが自分が促したのだと笑顔で暴露したのだ。
その当人は、郷に入っては郷に従えを実践して、朝食を皆と同じように和食に合わせて行儀よく満足そうに食べている。
士郎の視線には気づいているだろうに、敢えて無視して満足そうに。
だが士郎が注視しているのはそれだけでは無い。
昨日の自己紹介時、リザを落ち着けてからレオがいきなりの爆弾発言をしたのだ。
『ボクは魔術師であり、転生者でもあります』
ハーウェイ家次期当主が魔術師だと言う事も驚きではあったが、それ以上に転生者だと名乗った事が一番度肝を抜かれた事だった。
レオの護衛であるリザも知らされていなかった事実だったようで、彼女もすこぶる驚いていた。
そんなレオが何故暴露したかと言えば、
『士郎さんも転生者なのでは?』
そう指摘を受けたのだ。
正確には違うが、遠からずでもないこの指摘。
レオは衛宮士郎と言う人間を調べさせた時、弓術と料理人としての才覚以外平凡であるにも拘らず、肉体面においても精神面においても知識面においても超人の域に居る事を訝しんだ。
だが自分と同じ転生者であれば、一度目の生での経験を引き継いでいるとすれば、色々と納得する事が出来たのだ。
この指摘に関して士郎は否定も肯定もせずに、さらには疑問にも応えず何故暴露したのかと尋ねたが、結局誤魔化されてしまった。
「レオナルド、これをどう思うね?」
「今すぐ売りさばいた方がいいですよ?今は辛うじて体裁も保っていますが、近いうちに下落するでしょう」
エジソンと仲良く談話しているレオだが、何でも以前の世界で“聖杯戦争”を経験している為に、サーヴァントの気配が分かるためにエジソンとシーマがサーヴァントであることがバレた。
しかもその指摘に黙っとけばいいモノを、
『如何にも!私こそが発明王――――トーマス・アルバ・エジソンである!』
と名乗り上げてしまったのだ。
これにスカサハは呆れ、士郎は頭痛に苛まれるように頭を押さえたものだ。
ちなみに、シーマは真名を未だに思い出せないので、名乗り上げたエジソンを密に羨ましく思っていたとか。
兎に角、色々衝撃的な事があったが、仮初とは言えレオも立派にこの家に馴染んでいた。
「それで、レオは今日如何するんだ?」
「そうですね。“サプライズ”が有るので外出は出来ませんし、士郎さんの魔術師としての工房を見学してもいいですか?」
普通は魔術師が他の魔術師の工房を見学したがるなど有りえない。
魔術師の工房とは、そこの主にとっては自らの研究成果の秘中の秘の保管場所であり、よそ者からすれば幾多の凶悪な罠が待ち構えて
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