第3話 新時代前の前日
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つまり、此処に裏切り者若しくはスパイが紛れ込んでいるって言うのか?」
『恐らくは。それと裏口からでは無く、真正面のゲートと言うのも気になります』
ゲートには当然の様に幾つもの監視カメラが設置されている上、人の目による監視もある。
それにもかかわらず、わざわざゲート前を選んだと言う事実がジャンヌを悩ませていた。
勿論それを聞いた与一も、
「まさか数人どころか十数人以上の間諜が紛れ込んでいる可能性があるって言うのかよ!?」
『・・・・・・・・・』
与一の疑問にジャンヌは答えられない。
推測でしかないが、その可能性が十分に高いと思っているからだ。
だからこそ疑問には答えずに、別の言葉を言うしかない。
『不安に囚われる事を言って申し訳ありませんが、これから今まで以上に気を付けてください』
「・・・・・・分かった。そう言えばお前が言ってた、義経達にお前の事を伝える件は如何する?」
『延期した方がいいでしょう。ただし予定を変更して、マスターたちの生みの親であるミス・マープルに伝えると言うのはどうでしょう?マスターたちが生まれた理由による計画立案者ならば、スパイと言う事は無いでしょうから』
「そう・・・だな。だが今すぐは無しだ。間諜の目が何時何所にあるかも判らないからな」
『分かりました。時期はマスターに任せます・・・・・・マスター』
「分かってる」
主語が抜けているジャンヌの言葉に、動揺を見せずにドアへ視線を向ける。
それとほぼ同時に、ノック音のすぐ後からドア越しで義経の声が聞こえる。
『与一。もう朝食の時間だぞ?』
「分かってる。直向かうから先に言っててくれ」
『む、早くするんだぞ?』
言質を取ったため、不承不承で与一の部屋の前から離れて行く義経。
それを確認した与一はジャンヌに言う。
「今日より一層の警戒、頼んだぞ?」
『はい。マスターも気を付けて』
そうして2人はまだまだ勘違いしながら部屋を出るのだった。
−Interlude−
ほぼ同時刻、衛宮邸でも朝食中であった。
日曜日くらいはと言う事もあって、学校がある日よりも遅い朝食。
そんな朝食の中で、大河と仲良く話しながら食事を進めるリザに士郎は横目で様子を見る。
「この焼き加減は絶妙ですね」
「そうでしょう?やっぱり士郎の料理が一番おいしいのよね〜」
また新たに女性が住み込むと言う事もあって、藤姉が暴れる可能性を考えていたのだが、記憶喪失の時にそれなりに中を深めていたので、大・咆・哮は免れた。
勿論、士郎とリザが一緒に寝ている現場に鉢合わせされれば、結末は容易に想像できるが。
そして、そんな危うい状況へ焚きつけた元凶―――
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