472部分:第三十八話 袁術、劉備達と会うのことその四
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第三十八話 袁術、劉備達と会うのことその四
「それではじゃ」
「ただ、美羽様」
「どうしたのじゃ、七乃」
「御会いする前に少し時間があればですけれど」
「あっ、それだったら」
紀霊は張勲に対してすぐに答えてきた。相手が同僚なら話し方は普通だった。
「劉備殿達は今お昼を食べてるから」
「あっ、そうなの」
「ええ。時間は少しあるわ」
こう張勲に話すのだった。
「それがどうかしたの?」
「諸将を集めてお話したいのだけれど」
こう白手袋の手のうち右の方の人差し指を上に示させて話した。
「美羽様、それでいいですか?」
「何じゃ?何かあったのか?」
「はい、これからのことです」
言葉の調子は穏やかなものだった。表情もだ。
しかしだ。微妙に緊張を漂わせてだ。張勲は言うのであった。
「昨日都から呂布さんが来られましたけれど」
「あ奴は確か董卓の臣下であったな」
袁術もこのことは知っていた。
「それがどうかしたのじゃ?」
「いえ、董卓さんではなくですね」
「では誰のことじゃ?」
「はい、都のことです」
そちらだというのである。
「都のことでお話が」
「というと何のことなのじゃ?」
「まずは皆を集めましょう」
いぶかしむ袁術にまた話した。
「それからです」
「何かよくわからぬがわかったぞ」
こう答えた袁術だった。
「それではじゃ」
「はい。では皐ちゃん」
「そういうことなのね、七乃姉さん」
「ええ、皆を集めましょう」
「わかったわ。それじゃあ」
こうしてだった。袁術の諸将が集められた。まずは茶色の髪を腰まで伸ばした長身の少女であり緑のチャイナドレスに黒いタイツという格好である。目は紫であり顔立ちははっきりしている。切れ長の目だ。
「楽就、只今参りました」
「うむ、黄菊よ」
こう返す袁術だった。
「よくぞ参った」
「はい、美羽様それでお話は」
「まずは集まってからじゃ」
「わかりました」
楽就は頷き袁術の前に控えた。その次にだった。
今度は赤い燃える様な短い髪に左目だけ眼鏡をかけている少し大人の女だった。年齢は袁術の周りの者達の中で最も年長だろうか。鳶色の垂れ目であり眉は細くこれも垂れている。口は大きく一文字である。
服は白い看護士の様な服だ。その女も来たのだった。
「揚奉、ここに」
「菖蒲も来たのう」
「はい、後は」
「あの者達じゃな」
袁術はここで難しい顔になった。そうしてだった。
張勲にだ。こう話すのだった。
「のう、七乃」
「何でしょうか、美羽様」
「何故あの様な者達が来たのかのう」
「何か他の世界から来られてるそうですが」
「一体どういう世界なのじゃ?」
袁術はかなり困った顔であった。
「ああした者達がいる世
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