暁 〜小説投稿サイト〜
レインボークラウン
第四百四十九話

[8]前話 [2]次話
                  第四百四十九話  見てみて
 その晩御飯の時になった、そこでそのイカ墨のスパゲティを見て華奈子も美奈子も目を丸くさせて母親に言った。
「ねえお母さん、本当にね」
「真っ黒ね」
「まるで墨汁をかけたみたい」
「そんな感じよ」
「そうでしょ、これがね」
 まさにとだ、母も二人に答える。
「イカの墨なのよ」
「そうなの、これがなの」
「イカ墨なのね」
「そしてそのイカ墨をかけたスパゲティ」
「それなのね」
「ええ、そうよ」
 こう娘達に答えるのだった。
「凄いでしょ」
「凄いっていうか」
「真っ黒でね」
「本当に墨かけたみたいで」
「食べられるのかとも思うわ」
 二人共話は聞いていたがそれでも実際にその目で見て思ったのだ。これは食べられるのかどうかとだ。
 しかしその二人にだ、母は笑顔で言うのだった。
「美味しいし中に烏賊やトマトや大蒜も入ってるwわ」
「うん、墨の中にあるわ」
「それはわかるわ」
「そうでしょ、それとオリーブオイルも使ってるから」
 この家でパスタの時にいつも使っているそれをというのだ。
「だから味も確かよ」
「そうなの、じゃあ」
「安心していいのね」
「美味しいから」
 このことを保障しての言葉だった。
「安心して食べてね」
「ええ、じゃあね」
「食べるわね」
「お母さんも食べるから」 
 自分もと言ってだ、そのうえでそれぞれのテーブルに座ってイカ墨のスパゲティを食べる。二人共食べてみたが。
 食べてすぐにだ、はっとした顔で母に言った。
「うん、凄くね」
「美味しいわ」40
「そうでしょ、これがイカ墨のスパゲティよ」
 母もフォークで食べつつ応える。
「美味しいってわかったわね」
「うん、実際に食べて」
「それがわかったわ」
「イカ墨はどのスーパーでも売ってるから」 
 だからだというのだ。
「これから食べたくなったら何時でも言ってね」
「うん、じゃあね」
「そうさせてもらうわ」
 二人は母に笑顔で応えた、そのうえでイカ墨のスパゲティを全部食べたのだった。


第四百四十九話   完


                   2017・5・26
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ