暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
変身-トランス-
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ないで。学校どころか近隣の人たちの迷惑になるのよ」
「す、すみません…」
屋上で奇声を上げたことについてコルベールたち教員から怒られてしまった。特に今のように、西条先生からの突き刺すような視線に対し、まるで怪物を仕留めんとする冷徹な狩人のような眼に恐れおののいた。



放課後、シュウはかなりうんざりしきった様子を引きずりながら、愛梨と共に校門を出た。
「あれ、憐君と尾白君は?」
「バイト先の遊園地に必要なものを買いに、先に帰ったよ。俺も手伝うって言ったんだが、『お前は愛梨ちゃんと帰れよ』って断られたんだ。あいつらなんだったんだ…超特急で逃げやがって」
シュウは困ったように首をかしげるも、話を聞いた愛梨は隠れてガッツポーズをかましていた。ナイスアシスト!という心の言葉をセットに。
「にしても昼間は大騒ぎだったな」
「本当ね…」
帰宅路の町を歩いたところでそう言ってきたシュウに、愛梨も同調する。特にこの日彼女がムカついてるのはサイト。せっかくシュウと楽しく昼食をとってアプローチをかけようと思っていたのだが、そのもくろみが結果としてすぐに崩れてしまったことに不満を抱いていた。
「そういえば、あの平賀って子、モテモテだったよね。周りにいた女の子たち、みんなかわいくて全員が平賀君のこと気遣っていたし。顔は普通なのに」
「どうでもいいだろ、そんなこと」
「あ、もしかして尾白君みたいにひがんでたりする?」
「あいつと一緒にするな…女子の友人ならまだしも、彼女とか恋人は一人で事足りるだろ」
そっけんない態度がそのようにも見えた愛梨がからかってくるが、シュウは勘弁してくれと言うように返した。
自分はモテるらしいが、正直キュルケみたいにしつこく言い寄られてもウザイだけにしか思えないのが彼の考えだった。
それを聞くと、彼女は横から上目遣いでシュウを、熱を帯びた目で見上げてきた。いいタイミングだった。自分達が歩いている道は、ちょうど今は人が自分達以外に見当たらなかった。誰も邪魔は入らない。
「…じゃあ、シュウ。それなんだけど…」
彼女が彼に、意を決して想いを言いかけたところだった。
「ん?」
近くのガソリンスタンドに、シュウは眼を向けていた。暗くなったことで明かりが付いていて、ガソリンを給油しに来たと思われるトラックが止まっている。それにかなり油臭いのか、少し離れたこの場所にまで臭いが漂っている。
気になって、シュウはガソリンスタンドに駆け出す。
「あ、シュウ!」
もう、いいところで!悪態をつきながらも愛梨も着いてくる。
ガソリンスタンドに来ると、さっきより強い悪臭が二人の鼻を突いた。なんだこのひどい臭いは!見ると、トラックからけっこうな量のガソリンが滴っている。パイプに破損個所があるのだろうか。だがこのまま放置したら危険だ。
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