変身-トランス-
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いに言わないで!こっちはわ、私のじゃないもん!」
「え?じゃあ誰の?」
二つとも食うわけじゃないらしい。まあ確かに、ルイズが食うには量が多い気もする。だとしたらなぜ二つも用意したのだろうかと疑問に思うと、顔を真っ赤にしたルイズは黄色い風呂敷の弁当箱を突き出してきた。
「あ、ああああ…あんたに決まってるでしょ!」
「…え?」
「か…勘違いしないでよね!初めて会ったときにぶつかってきたのに辛く当たっちゃったから、ちょっと悪かったかなって思ったからお詫びしようと思っただけで……そう、それだけなんだからね!!」
頭が冷えたところで、シエスタと登校していた際にサイトにぶつかった上に逆切れしてしまったことを悔やんでのお詫びもかねて、サイトの分の弁当まで作っていたようだ。
…ちなみにこの時点で、同じく教室内でを昼食に誘おうかと思っていたハルナとシエスタ、そしてキュルケがことの顛末を目の当たりにしていたことを二人はまだ気づいていなかった。当然、ハルナとシエスタは目を鋭くしていた。
だがその突き刺さるような視線に気づきもしないサイトは、受け取ったその弁当箱を見つめ、目を見開いたまま呆然としていた。
「な、何よ?自分の分があるからいらないとか…そう言いたいの…?」
無反応とも取れるサイトの姿に、ルイズは不安を覚える。
が、それは杞憂に終わる。彼はバッ!と何かに取り付かれたかのように教室を飛び出した。
「ちょ、ちょっと!どこに行くのよ!!」
慌ててそれを追ったルイズ。
「サイトさん!?いったいどこへ…!?」
「ルイズさんも行っちゃった…」
「ヴァリエールなんかにダーリンを渡してなるものですか。追うわよ!!」
ハルナたちも危機感を覚え、直ちにサイトを追っていく。
昼食の時間になり、シュウは愛梨らと共に屋上で、購買から買ってきたパンなどで昼食をとった。
「あ〜、購買の焼きそばパン、やっぱうまいわ♪」
「憐、そっちのカレーパン一口食わせてくれよ」
隣で幸せそうに憐がパンを頬張っているのを見て、尾白が彼のパンを強請る。
一方でシュウは隣に座っている愛梨に視線を向ける。なんとなく、今の愛梨がどこかおかしいと思った。昼食に誘うなんて珍しいことじゃない。しかし彼女は憐たちと同じように自分から無口なシュウに話しかけることが多い。いつもと違って今の彼女はあまり口を開きたがっていないような…と思っていたとき、愛梨がシュウに「ねぇ」と声をかけてきた。
「始業式で、今朝の女の子を見てた?金髪のスタイルのいい娘」
「今朝の?」
あの金髪の少女『ティファニア・ウエストウッド』のことを言っているのか?
「シュウってああいう娘が好みなの?」
「な、なんの話をしてるんだ。藪から棒に」
「体育館で、あの娘をずっと見てたじゃない」
「別にそうい
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