変身-トランス-
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も不仲だとか。不倶戴天の敵というわけだ。
ルイズはまだこの学校に慣れていないから俺に力を借りるようにコルベール先生から言われている。だが、俺を狙っているキュルケはルイズにとられたくないということもあって、ただでさえ凄まじかったアプローチが激しくなって、ルイズがそれに刺激を受けてぶちきれ、喧嘩することが多くなってきた。
「ダーリン、あたしにも教科書見せて!」
「何言ってんのよ!サイトの教科書は私が見てるのよ!大体あんた、席が離れてるじゃない!自分の教科書も持ってるくせに!」
「ええ〜?だってダーリンの暖かさをすぐ近くで感じたいもの。ねぇルイズ席を変わってくれないかしら?」
「嫌よ!誰があんたみたいな女に譲るものですか!」
ルイズの奴、もっとおおらかでいろよ…キュルケも、俺へのアプローチはかわいいかもって思うことはあるけけど、もう少し控えめに…
「また始まったか…」
「ああやってサイトをめぐって…毎日飽きないのかしら」
クリスとモンモランシーもうるさいのか迷惑そうに視線を送っている。だったら止めてくれよ。ギーシュたち男子にも頼んでも、
「触らぬ神になんとやらというからね。悪いが僕は引かせてもらうよ」
「リア充爆発しろ」
「君を巡っての事なんだ。君だけでどうにかしてくれ」
以上がギーシュ、マリコルヌ、レイナールの意見だ。ちくしょう、薄情な奴らめ…人の苦労も他人事みたいに。…実際あいつらにとって他人事だけど。
「はぁ…」
自身の中で独白を終えるサイトは机に伏しながらため息を漏らした。
「どうしたのよ、ため息なんか漏らして」
あなたのことで悩んでいるからだよ、とは言わない。ルイズは自分に非があることはすぐに認めたがらない、プライドの高い奴だからだ。お陰で何度お仕置きされたことか…って、なに言ってんだ、とサイトは頭の中で言葉を切った。ルイズにお仕置きされたことなんてないだろ。ちょっといいかなって思ったりは……って、そんなマリコルヌみたいな被虐的な趣味はないぞ!もしかして知らない間に染まりだしたか?
「ちょっと、なにかいったらどうなの?私がせっかく話しかけてるのに」
「お、おう。悪い」
「す…素直ね」
ちょっと上からな言い方だが、下らない妄想を抱きかけて時間をとってしまったので、サイトは素直に謝る。ルイズは何か文句のひとつでも加えてやろうかとも思っていたが、サイトが予想に反してちゃんと謝ってきたので少したじろいだ。
「それより、これ」
すると、彼女は鞄から桃色の小さい弁当箱と、もうひとつ黄色い弁当用風呂敷に包まれた弁当箱を取り出し、それをサイトに向けて突き出した。
サイトは目を丸くする。確かにもう昼休みだが…。
「その二つ、お前の弁当?そっちの奴はずいぶん大きいな。お前そんなに食えるのか?」
「人を食いしん坊みた
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