変身-トランス-
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拝見したい、というたったそれだけのためにこの学校へ進学した生徒もいるとか。
「勉学、友人との交友、部活動…オスマン校長先生の言うとおり、あらゆることが私たちにとってかけがえのない経験となっていきます。すべてを吸収し、この学校での日々を自分の未来において大切にできるものにしていきましょう」
オスマンとほぼ似たようなことを言っているが、オスマンのときと比べて拍手が絶大だった。まるでどこかの国の女王のようなカリスマ性も感じる。
始業式が終わり、シュウたちも教室へ戻り始めたときだった。
「シュウ」
「なんだ?」
愛梨が自分を引き止めてきて、シュウは足を止める。
「お昼、一緒に食べない?」
俺は平賀サイト、この学校に通う高校2年生。
好きなものはハンバーガー、嫌いなのはあの体育の先生…だったかな?なんか違う人だった気もするけど…まぁいいか。
俺は今言った通り学生だから、起きたらすぐに学校へいかないといけない。でも、よく寝坊してばかりだから、幼馴染のシエスタに毎日起こしてもらってる。
で、学校に行ったら、ギーシュたちと馬鹿話をしたり、キュルケの我ながら幸せ…と思える感触をもらったりとか…そんな他愛のない日々を過ごしている。
楽しいんだけど、たまにテストとかあるのが憎い。いつもかなりやばい点数になる。最近転校してきたルイズからは「だらしがないわね」と一蹴される。だって俺の部屋、若者を誘惑する漫画やゲームにあふれてるんだよ?当然捨てられるものじゃない。そんな欲にあふれたものの周りで宿題しろなんていわれても…
あ、そうそう、ルイズのことなんだけど…転校生として紹介された時は驚いた。歩道橋でぶつかったその日のホームルームで再会とは。どこのラブコメ展開だよって突っ込みたくなった。初めて会った時はそりゃもう最悪だった。短気だし怒りっぽいし理不尽だし。でも、あいつが教科書をまだ持ってなくて困ってたところで、見せてやったら、ちゃんと礼を言ってきた。すっごく照れ臭げに。そっから教科書に密かに落書きしていたコルベール先生のパラパラ漫画を見せたら、思った以上に笑ってくれた。思いのほかすぐに仲良くなれてよかった。ルイズって、確かに気は短いけど、案外話しやすくて、ルックスも俺好みだしな。
でもそれにともなってシエスタとハルナの視線が痛く感じる。なんでだ?心当たりがないかギーシュに尋ねると「君は鈍い男だな」となじられた。
それはともかく、最近そのルイズについて困ったことが起きた。
キュルケとルイズは、俺とシエスタと同じように幼馴染の関係だが、俺たちと異なり昔から仲が悪かった。幼稚園も一緒でキュルケが先生に色目を使ってルイズと取り合っていたおもちゃを横取りされたり、同じ手法で小学校低学年の頃の劇でもヒロインの座をルイズから奪い取ったり。しかも互いの実家の仲
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