0094話『海外空母の暑さ対策』
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ないですか。暑いんですから!」
そこでとうとうアクィラが開き直ってしまった。
それでグラーフがどうしたものかと悩んでいると、
「そうだな……。だったら二人とも、スイカでも食べるか? 今ちょうど冷水で冷やしてあるから食べごろだと思うけど。冷たくて美味しいぞ?」
「はい! 食べたいです!」
「アクィラ。少しは遠慮をする精神をだな……」
グラーフがそんな事を言っているがアクィラは少しでも涼しくなれればという思いでグラーフの小言を全然聞いていなかった。
まぁそれでグラーフも結局は着いていくことになった。
中庭に出ればそこにはタライに氷が張ってあってスイカが冷やされていた。
「少し待っていてくれ。人数分にカットするから」
提督がそう言って包丁を取りに行こうとするがそこで赤城がちょうどよくやってきて、
「はい、提督。包丁です、どうぞ」
「あ、ありがとう赤城……。ところでどうしてこんなばっちりなタイミングで持ってこれるんだ?」
「いえ、提督がスイカを冷やしているのを知っていましたからなんとなく待ち伏せしていたらちょうどよく来てくれたんで……」
「つまりアカーギも食べたいんだな?」
「はい、グラーフさん。提督、いいでしょうか……?」
それで提督はその表情にやれやれという感じの笑みを浮かべながらも、
「わかった。それじゃ四人分にカットするよ」
それで提督が四人分にカットして四人で木陰に設置してある長椅子に座ってスイカを食べている。
アクィラは初めてスイカを食べたのか、
「冷たくてそれに甘いです!」
「そうだろう? 夏に備えてスイカも畑で作っていたんだ」
「それではまだまだあるのですね提督?」
「まぁね。だけどみんなにも上げたいから食べ過ぎないでくれよ?」
「分かっていますよ」
「アカーギのその言葉は果たしてどこまで信じられるものなのか……」
素直に頷いている赤城を見て、だけどグラーフは一途の不安を感じたのであった。
スイカが均等に配られるのを切に祈るばかりである。
そんな事をグラーフは思いながらもスイカにかぶりついて、
「……うむ。確かに美味しいな」
スイカを味わっていたのであった。
夏のそんな一幕……。
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