アージェント 〜時の凍りし世界〜
第二章 《暁に凍る世界》
不信
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行使することでスノウスフィアを共鳴させ、位置を特定することだった。
「対象までの障害は?」
〈Four AH drone, both accredited as general purpose type.〉
「……妙だな。」
〈Why?〉
「戦力が少な過ぎる。仮にも“奴”の拠点だぞ……余りにも手応えが無い。」
増援が来るまでの足留めにしても弱い。こちらの正体は割れている筈なのに戦力を補強した様子も無い。
「……まさかっ!?」
そして暁人は一つの結論に辿りつく。それは即ち………
「奴は……ここを守る気が無い……?」
だとすれば、暁人の事を知っている筈の仮想敵が打つであろう手は容易に想像がついた。暁人を確実に仕留める事ができて、尚且つ暁人が避けられない……否、避けさせない手が。
「っ!?ハボクック!!」
相棒にありったけの魔力を流し込み、術式を組み立てる暁人。その意を即座に理解したハボクックは、その補助を行う。時間的には……おそらくギリギリか。
暁人の足元に浮き上がる五芒星の魔法陣。無数のそれが重層的に組み立てられ、一つの巨大な魔法を構成していく。
多重魔法陣自体はそう珍しい技術ではない。しかし、たった一人が、直径200mという戦術魔導兵器級のそれを扱っているとなれば話は別だった。
「《Fort of iceberg》!間に合えっ!!」
暁人の残りほぼ全魔力と、空間中の残留魔力を全て使用した魔法陣が眩い光を放つのと、研究所の地下深くに設置された“それ”が解放されたのは殆ど同時だった。
■次元航行艦アースラ 艦橋
「も、目標付近で大規模な魔力爆発を確認!爆発の規模から対滅型魔導爆弾と推測されます!」
「何だと!?一体何が……」
センサー員からの報告に、クロノは思わず頓狂な声を出した。対滅型魔導爆弾というのは膨大な魔力を対消滅させることで空間を抉り取る戦術魔導兵器だ。簡易アルカンシェルと呼ばれる事も多く、本家の威力には遠く及ばないがそれでも、街一つ吹き飛ばすくらいなら訳はない。
一瞬遅れて、アースラにまで衝撃が届く。研究所まではまだ10km程離れていたが、ここからでも爆発が視認できた。
「っ、現地の状況は!?」
「駄目です!大気魔力が乱れて観測出来ません!」
「くっ……フェイト!武装隊を率いて現地に向かってくれ!はやては広域魔法をスタンバイして待機!」
「うん!」
「了解や!」
「観測班は何か分かったら直ぐ
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