キスの味はさくらんぼ?・その4
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
200cc
・生クリーム:50cc
・バニラエッセンス:数滴
さて、作っていくぞ。今回は荒潮のリクエストもあってさくらんぼ……アメリカンチェリーを使っているが、無ければラズベリーやリンゴ、苺、バナナなんかでも美味しく焼けるぞ。
まず最初はバターだ。固形のまま使うのではなく溶かしバターにして使うので、電子レンジで加熱して溶かしておく。その間に生地を作り始めていくぞ。ボウルにグラニュー糖、塩、卵を入れてかき混ぜておき、そこに薄力粉を混ぜて粉っぽさが無くなるまで混ぜておく。
粉っぽさが無くなったら溶かしバターを加え、更にかき混ぜる。バターが馴染んだら牛乳と生クリーム、バニラエッセンスを加えてここに一工夫。
「あら?提督、その透明なのってお酒?」
「それは……キルシュですか」
ご名答だ、流石は早霜。キルシュってのは前にも説明した通り、さくらんぼから作った醸造酒を蒸留したブランデーの事だ。香りがいいから良くお菓子作りにも使われるし、今回はさくらんぼを使ったお菓子だから相性の良さは尚更だ。こいつを少々生地に加える。キルシュ売ってるトコは中々無いからな。無ければ入れなくても十分美味いんだが、あるなら断然入れる事をオススメするぜ。全体が良く混ざったら、生地は完成だ。
オーブンを180℃に余熱しつつ、お次はさくらんぼの種を取っていく。取らなくてもいいんだが食べ難いしな。しかし50個もあると手間なんだよな……。
「あの、お手伝いしましょうか?店長」
「私もやるわぁ〜♪」
「おぉ、すまんな」
そう言って2人にも割り箸とさくらんぼ、種と実を分けて入れる容器を手渡す。暫く無言でプチプチと種を取っていたが、不意に荒潮が口を開いた。
「そういえば提督」
「何だ?」
「提督のファーストキスって、金剛さん?」
藪から棒に何を言い出すんだこいつは。
「なんだいきなり?まさかの恋愛相談か?」
「うふふ、違うわよぉ。ほらぁ、よく『ファーストキスは甘酸っぱい味がする』とか聞くでしょ〜?」
「あ〜……たまに見るな、ラブコメ漫画やらの描写で」
「本当の所、どうなのかなぁって思って」
「そういうのこそウチの嫁連中に聞けよ。ほとんどの奴が俺がファーストキスの相手だし」
「もちろん聞いたわよぉ。でもねぇ、み〜んな『煙草の匂いとバニラみたいな甘い味がした』って言ってたのぉ」
あ〜、それは完全に俺のせいだわな。ウン。俺の吸ってる煙草にゃバニラとかのフレーバーが含まれてるからな。当然っちゃ当然か。
「だからぁ、提督のファーストキスの味が解ればその謎が解けるかな〜って」
「ファーストキスか……金剛だ、と言いたい所だが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ