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提督はBarにいる。
キスの味はさくらんぼ?・その4
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200cc

・生クリーム:50cc

・バニラエッセンス:数滴



 さて、作っていくぞ。今回は荒潮のリクエストもあってさくらんぼ……アメリカンチェリーを使っているが、無ければラズベリーやリンゴ、苺、バナナなんかでも美味しく焼けるぞ。


 まず最初はバターだ。固形のまま使うのではなく溶かしバターにして使うので、電子レンジで加熱して溶かしておく。その間に生地を作り始めていくぞ。ボウルにグラニュー糖、塩、卵を入れてかき混ぜておき、そこに薄力粉を混ぜて粉っぽさが無くなるまで混ぜておく。

 粉っぽさが無くなったら溶かしバターを加え、更にかき混ぜる。バターが馴染んだら牛乳と生クリーム、バニラエッセンスを加えてここに一工夫。

「あら?提督、その透明なのってお酒?」

「それは……キルシュですか」

 ご名答だ、流石は早霜。キルシュってのは前にも説明した通り、さくらんぼから作った醸造酒を蒸留したブランデーの事だ。香りがいいから良くお菓子作りにも使われるし、今回はさくらんぼを使ったお菓子だから相性の良さは尚更だ。こいつを少々生地に加える。キルシュ売ってるトコは中々無いからな。無ければ入れなくても十分美味いんだが、あるなら断然入れる事をオススメするぜ。全体が良く混ざったら、生地は完成だ。

 オーブンを180℃に余熱しつつ、お次はさくらんぼの種を取っていく。取らなくてもいいんだが食べ難いしな。しかし50個もあると手間なんだよな……。


「あの、お手伝いしましょうか?店長」

「私もやるわぁ〜♪」

「おぉ、すまんな」

 そう言って2人にも割り箸とさくらんぼ、種と実を分けて入れる容器を手渡す。暫く無言でプチプチと種を取っていたが、不意に荒潮が口を開いた。





「そういえば提督」

「何だ?」

「提督のファーストキスって、金剛さん?」

 藪から棒に何を言い出すんだこいつは。

「なんだいきなり?まさかの恋愛相談か?」

「うふふ、違うわよぉ。ほらぁ、よく『ファーストキスは甘酸っぱい味がする』とか聞くでしょ〜?」

「あ〜……たまに見るな、ラブコメ漫画やらの描写で」

「本当の所、どうなのかなぁって思って」

「そういうのこそウチの嫁連中に聞けよ。ほとんどの奴が俺がファーストキスの相手だし」

「もちろん聞いたわよぉ。でもねぇ、み〜んな『煙草の匂いとバニラみたいな甘い味がした』って言ってたのぉ」

 あ〜、それは完全に俺のせいだわな。ウン。俺の吸ってる煙草にゃバニラとかのフレーバーが含まれてるからな。当然っちゃ当然か。

「だからぁ、提督のファーストキスの味が解ればその謎が解けるかな〜って」

「ファーストキスか……金剛だ、と言いたい所だが
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