四話 迷子の子猫ちゃん
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ところの別れ道から行ったほうが近けぇよ」
「どっちでもいいから早くしてくれ!」
その頃、フェルトは。
「アルトリアの姉ちゃん……一体、何処にいんだよ」
探しても探しても見付からないエミリアに必死に探し続けていた。
……。
………。
……。
「うーん。ここ、さっき通ったような」
一方、その頃のエミリアは絶賛迷子中だった。
同じ道をぐるぐると回り続け、それをループする。ある意味これは才能だ。迷子のプロとも言えるエミリアの迷子の仕方(なりかた)は単純で。
「さっきは右に進んだから今度は左にしよっと」
これの繰り返しである。
二本の別れ道を前にするとエミリアは何処と無く感で道を選ぶ。
そして、それが積み重なり本来なら有り得ない同じ道に戻り続けるを繰り返しているのだ。*ちなまみに、先程の別れ道を左に進んでいればシロウ達と合流できた。*
「まるで、迷路ね」
エミリアは笑顔でそう言った。
いや、普通はそんなに迷わないから。とシロウが居ればツッコミを入れていた所だが、ツッコミを入れる人は居ない。
「この道はさっき通った……ような。確か、その時は右だったから今度は左っと」
その選択は、この無限のループから抜け出す選択だった。
左の道を進むと、広い道に出た。大通りだろうとエミリアは判断し、周りを見渡す。
繰り返しのループは終わったが、この道は通ったことない。下手に進んだら、また迷子になってしまう。そんな不安感が、エミリアの判断を鈍らせる。
「どうしよう……戻るべきなのかな。それとも進むべきかな」
大通りは一本道なので前に進んでも迷子になる事はないだろう。それなら前に進んでみようか?
早く、決断しないと。
「周りはどんどん暗くなってるし、シロウとフェルトちゃん達はきっと迷子になった私を探そうとしてくれてる」
これ以上、迷惑は掛けられない。
エミリアは思い切って大通りを進んだ。この一本道なら迷子になることはない。それに、この大きな一本道なら迷子になった自分を探しやすいだろうとエミリアは判断した。
「二人に会ったら謝らないと」
迷惑かけてごめんね。
迷惑かけてごめんなさい。
迷子になっちゃってごめん。
どう謝ろうか、どうお詫びするべきか考える。
そんな時だった。
「なんじゃ?お主、エルフか?」
大柄な巨体、巨人族のお爺ちゃんとエミリアは出会った。
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