四話 迷子の子猫ちゃん
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は見てて眩しかった。
「シロウも、さっさと動け。ここらは夜になると真っ暗闇で何も見えねぇぜ」
「暗闇の中での人探しはめんどいな」
「そうなる前に、探すんだよ」
三人の言う通り、夜の暗闇の中でエミリアを探すのは困難そうだ。
そうなる前にエミリアを探し出さないと。
……ん?なんか、忘れてるような。
「あっ!?」
「なんだぁ、急に変な声出して?」
「すまん。一つ忘れてた。俺達以外にエミ……アルトリアって女の子を探してる娘がいるんだ」
「アルトリア……ソイツが、シロウの探してるヤツの名前だな」
「そうそう。で、アルトリアを一緒に探してくれてる娘と約束してるんだ。見付かっても見つからなくても合流地点で落ち合うって」
色んなことがあって忘れてた。
もしかしたら、フェルトはずっとあそこで待ちづけてるかも知れない。女の子をあんな所で一人で居させるのは危険だ。
「もしかしたら、フェルトはエミリアを見付けて合流してるかも」
小声でフェルトがエミリアを見つけているかも知れない可能性を口に出す。
それなら、それでいい。でも、どっちにせよ女の子だけで居るのは────いや、大丈夫かも。
脳裏に、氷漬けになっていた男達の事を思い出す。アレがエミリアによって起きた現象なら、エミリアとフェルトは安心だよな?いや、待て待て。安心じゃない。安全じゃない。エミリアはアレを平然とやってのけたならまずいぞ。
「もしかしなくても、これは……」
そう考えると、エミリアは急速に探し出さねばならない気がしてきた。
「一旦、戻るぞ!」
急いでフェルトと約束していた場所に戻ろうと走る。だが────。
「走るのは構わねぇけどよ、シロウ。オメェはその合流地点の場所まで行けんのか?」
「……」
「解ってたら、俺達に道案内なんて頼まねぇよな」
「だな、」
「シロウって結構、バカだなぁー」
何も言い返せない。
三人の言う通りだ。慌てるな、冷静になれ。
「……落ち着け、落ち着け。大丈夫、エミリアは心優しい女の子。誰しも構わず人間を氷漬けにする野蛮人なんかじゃない。そうそう。エミリアは優しい女の子なんだ。そんな事するはずない」
「おい、シロウ?」
「なんかブツブツ言ってっけど」
「おーい、シローウ」
うん。大丈夫、エミリアはそんな事しない。だから早く、戻ろう。いや、ホントにエミリアは心優しい女の子だから氷のオブジェクトを量産しまくる野蛮人じゃないから。
「取り敢えず、戻ろう」
「何処に?」
「俺とお前達が会った場所。あそこなら約束してた合流場所に近いはずだ」
「あそこか……よし、それならこっちから行けば近道だぜ」
「いや、こっちの方が近道だろ?」
「は?ここを真っ直ぐ行った
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